富山県議会 会議録 簡単検索
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1996.03.07 : 平成8年2月定例会 一般質問

◯5番(杉本 正君)
また、富山港と富山市の中心地区を結ぶ交通手段として、水上バスをこの運河に運航される計画と聞いておりますが、松川まで乗り入れることにしたら、より多くの人々の利用が見込めるものと思いますがどうでしょうか、当局のお考えをお伺いいたします。
また、富山駅北の運河公園、通称「カナルパーク」の名称でありますが、いろんな人から「杉本さん、カナルパークって何け」と聞かれます。その昔、富岩運河をつくられた人たちも、草葉の陰で、自分たちが汗水流してつくった富岩運河が、何やらわけのわからない何とかパークという名前に変わったと嘆いておられるのではないかと思います。現在私たちがいますこの県庁、県議会も、その富岩運河をつくるときに掘った土砂で造成された場所に建っておりますが、富岩運河をつくられた人々の労苦に報いるためにも、「富岩運河公園」という名称にすればよいと思いますがどうでしょうか、当局のお考えをお伺いいたします。

◯土木部長(望月倫也君)
次に、運河には水上バスが検討されておるんですが、これを松川まで乗り入れたらどうかという御質問であります。
御提案の水上バスを松川まで乗り入れることにつきましては、カナルパークから中間のいたち川を経由することになりますが、いたち川は水位、流速の変化が大変激しい河川でありますことから、定期的な船の運航は困難な面が多いと思われます。また、いたち川への船の乗り入れにつきましては、富岩運河からいたち川へ通じる船通し水門が必要となります。さらに、いたち川、松川は水深が非常に浅く、橋梁が多いため、船の喫水や高さに制約があります。一方、運河につきましてはこのような制約が少なく、ある程度の大型化、高速化が可能であることから、1つの船で乗り入れすることには問題が多いのではないかと考えております。
いずれにしましても、今後この乗り入れ等につきましては慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
それから、現在「カナルパーク」という名称でありますが、これを「富岩運河公園」という名称にすればどうかという質問であります。
「カナルパーク」という名称、少々評判が悪いようですが、この名称は、都市計画公園として整備しております富岩運河の最上流部船だまり地区の公園の事業名称であります。今後、公園の供用に向けて正式な名称を検討する必要があるわけでありまして、この貴重な財産を広く全国にPRしていくことが大切であると考えております。その名称も、富山らしく、わかりやすく親しみやすいものであることが重要であると考えております。そのため、この名称の決定につきましては、広く県内外から公募することも含めまして、多くの方々の意見を聞きながら慎重に検討していきたいと考えております。

 


1997.03.11 : 平成9年2月定例会 一般質問

◯5番(杉本 正君)
次に、カナルパークと富岩運河、岩瀬運河の整備について、幾つかの点についてお伺いいたします。
最初に、カナルパークについてであります。
富山駅北に位置するこの地域は、オーバードホールの完成、また勤労者福祉センター、女性センターも近く完成いたします。そして富山市の新体育館も建設を始めました。水辺空間を生かしたこの地域は、富山市民のみならず、富山県民にとってすばらしい憩いの場として整備されることが期待されます。
ところで、この「カナルパーク」という名称でありますが、昨年の2月議会でも申し上げましたが、この議場が建っている土地も富岩運河を掘るときに出た土砂を埋めてできたものです。私たちは、この運河をつくった先輩の皆さんに敬意を表さなければいけないと思います。そういう意味からも、「カナルパーク」という舌をかむような名前より、「富岩運河公園」という名称のほうが素直でよいと思います。どうでしょうか。また、最近よく愛称の募集をすることが多く行われておりますが、名称が幾つもありますと混乱のもとですから、愛称は募集しないほうがよいと思います。当局の見解をお伺いいたします。
また、この公園の整備内容と整備スケジュールについてお伺いをいたします。
また、水質と水量の確保を図るためにも、公園の整備にあわせて水の取り入れ口──導水路の整備をすべきであります。水の流れから考えても、この導水路は現在の導水口より上流に設けるべきだと思いますが、当局の見解をお伺いいたします。
次に、中島閘門についてでありますが、この中島閘門は、200トン級の船舶の遡航を可能にするとともに、欧州において中世から近代にかけて発達した水運技術を継承するもので、当時の最新の技術であるパナマ運河方式を採用した歴史的に意義のあるものであります。このたびその中島閘門が整備されることになりましたが、その整備内容とスケジュールについてお伺いをいたします。
また、閘門下流部の運河整備についてでありますが、運河下流部の自然護岸──ムクリ護岸や桜並木は、運河完成当時の面影を残し、運河全体の中でも水面と緑豊かな景観を維持しており、これを保全しながら、運河沿いに遊歩道やサイクリング道を整備する必要があると思いますが、どうでしょうか。
また、カナルパークを含めた富岩運河全体の運河沿いの植栽でありますが、既に多くの場所に桜並木が形成されていることもあり、運河沿い全体に桜並木を整備したらよいと思います。桜の木は水に映った太陽を本物の太陽と間違えて、その太陽を目指して枝を伸ばす性質を持っております。ですから、山桜より、松川や磯部の桜のように水辺の桜のほうが成長も早いし、枝ぶりも見事なのであります。
また、秋に彩りのある植栽についても配慮されたらよいと思います。
また、多くの県民にこの水辺に親しんでいただくために、トイレも適当な間隔を置いて整備すべきだと思います。また、そのトイレのデザインについても、昨年開かれたトイレシンポジウムの成果を生かし、グレードの高いもので整備していただきたいと思います。
以上述べました点について当局の前向きの答弁をお願いしたいと思います。
最後に、岩瀬運河についてお尋ねをいたします。
岩瀬運河の整備につきましては、ポートルネッサンス21事業の中で平成元年より整備が開始され、遊歩道やレジャーボートの整備、そして岩瀬カナル会館の完成、昨年の暮れには岩瀬舟橋も完成し、随分と整備が進み、この地域の雰囲気も随分変わってきました。今この運河に岩瀬橋がかかっておりますが、これだけ周辺が立派に整備されてきますと、この岩瀬橋についても周りの風景に似合ったものに改修する必要があると思います。その際、カナル会館への回遊ルートも考えて橋の東側に歩道橋を設置すべきと思いますが、どうでしょうか。
また、この岩瀬運河に接続している、長年の懸案でありました臨港道路諏訪町線の開通の見込みについてもあわせてお伺いをして、私の質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。

◯土木部長(白井芳樹君)
 次に、カナルパークと富岩運河、岩瀬運河の整備について、6つの御質問に順次お答えいたします。
最初は名前の御質問であります。「カナルパーク」という名前より、「富岩運河公園」という名称のほうが素直でよいと考えるがどうか。また、この公園の整備の内容、整備のスケジュールについてでございます。
現在、とやま都市MIRAI計画の一環として、富岩運河の船だまりとその周辺を都市公園事業により整備を進めております。お尋ねの「カナルパーク」という名前ですが、これは都市計画公園の事業の名称であります。公園としての正式の名称につきましては、これまでもさまざまな立場から御意見をいただいておりますが、その多くは富岩運河の歴史性を後世に伝えるような名前を期待するものであります。
県といたしましては、公園の供用開始を控えまして、こうした声を尊重しますとともに、都心に残された貴重な水面としてのシンボル性も勘案し、正式名称として「富岩運河」という由緒のある言葉を生かした名称とすることを検討中であります。
なお、公園の愛称につきましては、今ほどお聞きしました御意見も参考にしながら、今後どうするか考えてまいりたいと思います。
次に公園の整備内容でありますが、富山の自然と都市が共存する親水文化公園を目指しまして、広大な水面を生かした県都のシンボル的オアシスとなるよう整備を行っております。主な施設としましては、1つには、船だまりの上流部にフロントデッキを設けます。これは野外劇場風の広場と富山の豊かな水を表現する噴水とで構成するものであります。また2つには、船だまりのほぼ中央に、都市と港や海を結ぶシンボルとなることをねらって、カナルブリッジという歩行者用の橋を計画しております。また、両側の岸辺は緩やかな芝生のスロープとしまして、その周りには桜、イチョウ、カツラなど四季を通じて彩りのある木を植えることとしております。
さらに整備のスケジュールでありますが、フロントデッキと周辺の区域につきましては、平成9年度の早い時期に供用を開始すべく、現在鋭意整備を進めております。また、カナルブリッジにつきましては9年度に着工することとしておりまして、あと順次、芝生スロープの整備や植栽を進めまして、平成12年にはフロントデッキからカナルブリッジの区間について概成させたいと考えております。
2つ目は、水質と水量の確保を図るため、導水路の整備についてのお尋ねであります。
富岩運河の水質を保全し水量を確保するうえで、導水は効果的な方法の一つでありまして、現在、いたち川の水を牛島水門から取り入れているところであります。しかしながら、この牛島水門からの導水口は、いたち川の改修などによりましてつけかえが必要となります。そこで、水質保全の効果を最大限に発揮させるために、御意見のように導水路を公園の最も上流部に設けることを検討しているところであります。現在、富岩運河の水質を調査し、浄化に必要な水量を検討中でありまして、今後、水利権の調整、導水路の構造の検討などが終わり次第、いたち川の護岸の整備ともあわせまして導水路を整備する予定であります。
3つ目は、富岩運河の中島閘門の整備の内容とスケジュールについてのお尋ねであります。
中島閘門の整備につきましては、昨年の9月から、学識経験者などにより構成される中島閘門改良検討委員会におきまして検討を重ねていただき、去る2月27日に整備方針の提言をいただいたところであります。その提言は次のようなことを求めております。
1つには、中島閘門及びその周辺は、昭和初期の土木事業による近代化遺産として歴史的な価値が高いことから、いわば野外の博物館として保存・活用を図るべきであること。特に閘門の扉や開閉装置、管理棟、管理橋などは原形を極力保存し、また改良すること。2つには、そうした整備により取りかえられた元の機材などで貴重なものについては保存・展示をすること。3つには、建設された昭和初期の面影がしのばれるよう、親水性豊かな運河空間として整備することなどであります。
県としましては、この提言を受けて中島閘門の復元整備を進めることとしております。まず、閘門の扉や開閉装置──中島閘門の本体ですが──につきましては、現在実施設計を進めておりまして、平成9年度末には復元工事を完成させたいと考えております。そのほかの施設につきましても、早期に着手できるよう努めてまいります。
4つ目は、中島閘門の下流部の整備について4点の御提案がございました。1つは運河沿いに遊歩道やサイクリング道を整備すること、2つは桜並木の整備、3つは秋に彩りのある植栽、4つはトイレの整備という御提案でありました。
富岩運河につきましては、富山ポートルネッサンス21調査に基づきまして、豊かな水と緑に包まれた美しい景観と歴史的資産を活用した魅力ある運河空間として再生させることを目指し、その整備を進めているところであります。中島閘門の下流部につきましては、世界的に見ても極めて珍しい曲面を有する石積み──ムクリ護岸といいますが、これは法面が上に向かってむくれ上がったような形になっていることからこの名前がきたそうですが、ムクリ護岸という石積みや、この石積みと調和した桜並木がありまして、運河を建設した当時の面影を濃く残しております。整備に当たりましては、これらを保存しながら、新たに植栽をするなど、四季の変化を楽しみながら人々が散策したりサイクリングができるようにしたいと考えております。
また、トイレにつきましても、運河の左右両岸に適切に配置することとし、運河の雰囲気になじむようなデザインで順次整備していきたいと考えております。
5つ目は、岩瀬運河の岩瀬橋の改修、あるいはその岩瀬橋の東側に歩道橋を設置するという点でのお尋ねでございます。
主要地方道であります富山魚津線の岩瀬運河にかかる岩瀬橋につきまして、これまでの整備や補修の経緯を見てみますと、まず、この橋は昭和33年に前後の道路の幅員にあわせてかけた橋梁であります。その後、前後の道路に歩道が設置されたこともありまして、昭和50年に橋の西側に歩道橋を設置しました。また、阪神・淡路大震災を教訓に点検したところ、耐震補強のため落橋防止装置の設置が必要であるという結果を得ておりますので、平成9年度にその補強工事を予定しております。また、現在岩瀬運河で整備が進められています修景施設にマッチさせるため、平成7年には橋の高欄や照明灯を塗りかえるとともに、歩道橋を自然石の舗装で改修いたしました。こうしたこともありまして、当面、岩瀬橋をかけかえたり、高欄などを改修する計画は持っていないというのが現状でありますので、御理解いただきたいと存じます。
また、岩瀬橋の東側に新たな歩道橋を設置することにつきましては、今後、岩瀬運河周辺の整備の進展や、富山市において岩瀬カナル会館を道の駅に登録したいという考えがありますことから、こうしたことに伴う歩行者交通量の推移を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
最後は、岩瀬運河に隣接している臨港道路諏訪町線の開通の見通しについてのお尋ねであります。
臨港道路諏訪町線は、主要地方道富山魚津線から富山港の10号岸壁へのアクセス道路として、ことしの7月に供用できるよう現在鋭意整備を進めているところであります。この道路が完成いたしますと、10号岸壁に北海道向けのコンテナ定期船が接岸する予定になっておりまして、現在の富山港の混雑が解消されるなど、港湾機能の充実とともに、岩瀬運河やカナル会館周辺における新たな道路ネットワークも形成されるなど、周辺地区の発展に資するものと期待しているところであります。
以上でございます。

 


1997.12.11 : 平成9年12月定例会 一般質問

◯5番(杉本 正君)
次に、「水の都とやま」のイメージづくりについてお伺いいたします。
観光目的でなくても、年間を通じて多くの人々が、いろんな会議やイベントの開催で県都富山市に来られます。その場合は、中心部のホテルに宿泊され、そして会議の合間をみて2時間から3時間、富山市内を観光されるケースが多いと思います。こういう人たちに対する観光についても、もっと研究すべきであると思います。
私は、「水の都とやま」というイメージをもっと打ち出し、いろんな施策をとるべきだと思います。この県庁や市役所の横に松川が流れております。県や富山市などいろんな関係者の皆さんの御努力のおかげで、船だまりの整備や護岸の整備や舟橋、七十二峰橋、華明橋の整備、また遊覧船「滝廉太郎号」も登場して観光客を喜ばせております。
ことし8月に富山市ではルックルック富山招待事業を行い、三大都市圏の旅行雑誌編集者、新聞記者、旅行エージェントなどを招待して、市内及びその周辺の観光資源や観光施設を見聞体験してもらいましたが、その中の意見として、「松川の遊覧船に乗ったけど、桜の季節でないので味気なかった。もっと護岸に花を植えるなどの工夫をすればどうか」という意見が多く出されたそうです。私はアメリカのサンアントニオにもイタリアのベネチアにも行ったことはありませんが、グッドラックの中村孝一社長さんによると、富山の松川はきちっと整備すればこれらの「水の都」に劣らないものになると言っておられます。遊歩道や護岸整備についての当局の見解をお伺いいたします。
また、今、駅北の富岩運河環水公園の整備が進められておりますが、松川からこの富岩運河環水公園まで遊覧船が運航できるように整備すれば、「水の都とやま」のイメージアップにつながると思いますがどうでしょうか。当局の見解をお伺いして、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

◯土木部長(白井芳樹君)
観光についての御質問のうち、まず松川べりの遊歩道や護岸の整備についてお答えいたします。
松川は、県都富山市の中心部を流れる川でありまして、その水辺は潤いと安らぎの場として多くの県民、市民に親しまれているところでございます。県としましては、これまでも城址公園沿いの親水護岸や磯部地区の遊歩道などを整備してきておりまして、今年度は舟橋南町において魚の生息環境にも配慮した親水護岸の整備を進めているところでございます。また、富山市におきましても、橋の改築にあわせた修景や照明灯の設置、法面の植栽を行うなど、松川に浮かぶ船からの眺めにも配慮した整備が進められているところでございます。さらに今年度は、県におきまして水と緑の県づくり推進調査を実施しておりまして、富山市では松川やいたち川を中心とした水と緑のネットワークの整備について検討しているところでございます。
今後とも富山市と連携しながら、「水の都とやま」にふさわしいものとなるよう松川の整備を進めてまいります。
次に、松川から富岩運河環水公園まで遊覧船が運航できるよう整備すればどうかという御質問にお答えいたします。
御案内のとおり松川の遊覧船は、松川茶屋の乗り場から上流は舟橋まで、下流はいたち川との合流点までの区間で運航されております。この遊覧船を松川からいたち川に乗り入れて富岩運河環水公園まで運航することは、平常時つまりふだんでもいたち川の流れが速いことや水深が浅いことなどから、現在運航されている船では困難であると聞いております。また、降雨時つまり雨のときは、松川は神通川に放流する施設があり、流れは比較的安定しておりますが、いたち川は1時間のうちに水位が1.5メートルも上昇することがあるなど、水位や流速が急激に変動する川でございます。この場合、例えば船が洪水の流下を妨げないかという治水上の問題や、水面が上昇して船が橋の下を通れなくなったり橋げたなどに衝突するおそれがないかという点、さらには船のお客さんの安全の確保など、船の運航にはいろいろな課題があると考えております。
 こうしたことから、まずは船を運航する側において、増水時の安全対策やいたち川の流れに見合う船の導入などを十分検討されるべきであると考えますが、その検討状況を見ながら、そうした課題が解決されるのであれば、県としても河川の整備や管理の面で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

 


1998.03.16 : 平成10年2月予算特別委員会

平村委員
そこで次に、河川に沿って茂っております松川べりの緑とか、あるいはまた河川の水というのは非常に大切なものでありますけれども、今年度、水と緑の県づくり推進調査費が計上されておるわけですね。これの目的についてまずお伺いしたいと思います。

白井土木部長
水と緑のネットワーク整備構想は、富山市が申請しまして、今委員おっしゃいましたように、平成9年7月に、富山市をはじめ8つの都市が全国第1号として建設省の登録を受けたところでございます。これは、富山県において、明治の置県以来、水を治めつつ、水を利用し、さらに近年では水に親しむなど、川の施策を積極的に進めてきたことが評価されたものと考えております。今後、富山市におきまして、具体的な整備施設や整備方法、整備主体などについて、各施設の管理者とも協議しながら整備計画を作成し、建設省の指定を受けた後、順次事業化されることとなります。
県といたしましては、富山市のこの計画を支援するため、県が管理しております松川やいたち川などにおける計画の実現に取り組みまして、「水の王国とやま」にふさわしい県づくりをさらに推進してまいります。

平村委員
今出ました松川、いたち川の整備ですが、これをどのように考えておいでになるのか。あるいはまた、もう1つ伺いたいんですが、平成10年度以降具体的な計画があるんであれば、お聞かせいただきたいものだと思います。

白井土木部長
現在富山市のほうで、水と緑のネットワーク整備計画というものを取りまとめているところでございますが、県が管理しております松川、いたち川はこの計画の中で重要な位置を占めますことから、県としましても、その整備内容について幾つかの提案をしております。具体的に申し上げますと、河川空間を活用する、またそのネットワークをつくるという観点では、例えば河川の堤防などを活用しまして、磯部公園や富山城址公園、富岩運河環水公園などをネットワークする、いわば水辺に沿った花と緑の散歩道の整備。また、いたち川と松川の護岸の小段部分を利用しまして城址公園から富岩運河環水公園まで散策できる、いわば水辺の小道の整備。それから河川の景観整備の面では、いたち川が富岩運河環水公園に接する区間で公園と一体となるような芝生の緩やかな堤防や、水辺にふれあえる施設の整備。さらに、水を活用するということでは、いたち川から環水公園のほうに水を導水しまして運河の水質を浄化することなどを提案しておりまして、今後、市の整備計画に盛り込まれるものと考えております。
平成10年度以降の具体的な取り組みについてのお尋ねもあったわけでございますが、今後、整備計画を策定する富山市と十分協議をする必要がありますが、県としましては、少なくとも平成10年度には、松川では、市の公園事業などと連携しまして緑の遊歩道の整備を進めます。また、いたち川では、富岩運河環水公園周辺の景観整備や浄化用水の導入事業に着手することとしております。
いずれにしましても、水と緑のネットワーク整備は「水の王国とやま」にふさわしい県づくりを推進するうえでも重要な施策でありまして、今後とも富山市と十分連携を図りながら、潤いと安らぎのあるまちづくり、県づくりを進めてまいります。

平村委員
都市の河川や緑が大変減退をしていっているといいますか、この松川べりにも、整備はされてきておりますけれども、行政が手を入れて整備をされると、富岩運河あたりでも見違えるように立派になりましたね。都市の河川や緑をもっと積極的に活用していただきたいものだということを特に要望しておきたいと思います。

 


1998.09.25 : 平成10年9月予算特別委員会

吉田委員
それでは次に、都市型水害の対策として、都市部の中小河川──富山市内には県管理のものが71キロメートル、市管理の準用河川が34キロメートルございます。それらの河川改修も重要と考えますが、富山市内の中小河川の全体計画の中で、特にいたち川の上流部であります大泉地内、そして赤江川の上流部、そして赤江川、いたち川の合流部からカナルパークあたりまでの改修計画をあわせてお伺いしたいと思います。

白井土木部長
富山市を流れております県が管理する中小河川には、いたち川とその支川であります赤江川、松川、冷川、四ツ屋川などがございます。
以下、お尋ねの改修計画について申し上げますと、まずいたち川では、神通川との合流点から筏川合流点までの全体計画区間8.4キロメートルのうち、神通川に流れ込みます下流部の2.3キロメートルの区間は整備が完成しております。また、赤江川の合流部を含むその上流部、つまりいたち川の改修区間では中流部でありますが、この4キロメートルの区間では当面の整備を終えておりまして、残っておりますのは河床の掘削だけとなっております。また、未改修区間であります大泉地内から上流2.1キロメートルにつきましては、今年度から家屋の移転補償や用地買収に着手しておりまして、今後、地権者の方々の御理解と御協力を得ながら整備を進めたいと考えております。
次に、赤江川では、いたち川との合流点から上流まで全体計画区間1.9キロメートルございますが、下流から1.7キロメートルの区間につきましては、JRの鉄橋付近を除き、当面の整備を終えております。また、上流の長江地内におきます未改修区間約0.2キロメートルにつきましては、平成11年度に整備を行う予定でございます。
また、松川、冷川、四ツ屋川につきましては、それぞれ計画区間の河道整備を終えております
いずれにしましても、今回のような集中豪雨による都市型水害の解消のためには、まずはこれらの河川を早急に整備しますとともに、富山市とも連携し、都市内の雨水対策の推進に努めてまいります。

吉田委員
随分改修も終わって、あと上流部ということでございますけど、先般の水害のときには、ちょうど赤江川がいたち川に合流する部分でバックウオーターがかかったような状態になりまして、上流部の水が飲めなかったんじゃないかと思っておりますので、今部長さんが答弁されたように、河床の整備をできるだけ迅速にやっていただきたいなと、そういうふうに思っております
次に、今質問した河川も含めてでございますけど、それぞれの河川で洪水に対応できるものも当然必要でございますけど、現在よくいわれております親水河川としての取り組みはどのように今後考えていかれるのかお伺いしたいと思います。

白井土木部長
御案内のとおり、河川は治水や利水の機能を持つだけでなく、豊かな自然環境が残されていることから、潤いのある生活環境の舞台ともなるものでございます。
県としましては、近年の河川改修に当たりましては、治水を基本としながらも多様な環境にも配慮した川づくりを進めてきたところでありまして、例えばいたち川や松川におきます水辺に親しめる階段護岸や管理用通路の整備、また赤江川におきます稲荷公園と一体となった親水空間の整備などを実施しております。
今後とも、河川改修を進めるに当たりましては、まずは治水機能を確保しつつ、周辺の土地利用や景観、生態系など多様な環境にも配慮しながら整備に取り組んでまいります。

 


1999.06.23 : 平成11年6月予算特別委員会

杉本委員
そこで、そうした国際会議の関係に詳しい方のお話を聞きますと、会議の開催地が決定される要因の一つに、会議の後のアフターコンベンションとして、散策できるような場所、そうしたところがあるほうが有利だということなんです。若い人ですと、桜木町みたいににぎやかしいところがあったほうがいいかもしれませんが、特に外国の人ですと、会議の後、静かにちょっと散歩とか、物を見るとか、どっちを選ぶかということになりますと、そっちのほうを選ぶということが非常に多いということであります。
そうした観点からも、富山県には今言いましたように、合掌造りだとか、高岡の国宝瑞龍寺だとか、魚津の蜃気楼だとか、滑川のホタルイカだとか、砺波のチューリップだとか、上市の穴谷ですとか、まだほかにもいっぱいありますが、今言いましたように、会議の後ちょっとした時間に──こういった方たちは非常に忙しい方が多いわけで、一日かけて富山県のそういったところを見てもらうこともいいんですが、時間がなくて見れないわけですから、ちょっと周りを見るという機会があればいいということもよくお聞きしておりますので、富山市中心部の短時間の観光コース、アフターコンベンションコースといいますか、そうしたものの開発も大切であると思います
幸いにしまして、松川が富山市の中心部をゆったりと流れておるわけであります。富山県や富山市、そして多くの皆さんの御努力のおかげで、年々松川の周辺がすばらしく整備をされてきております。ただ、数年前、富山市が全国のマスコミの関係者を招いて松川の遊覧船に乗ってもらったりしたときの意見だとか反応では、春の時期の桜の松川は大変すばらしいけども、それ以外の時期、船で下から眺めた場合に何もないというのは寂しいと。ですから、船から眺めても、また散策しながらでも楽しめるように、護岸などに秋には赤くなるドウダンツツジだとか、また、いつの時期でも人々の目を楽しませてくれるような植栽にも配慮すべきだと思います。
また、「グッドラックとやま」の中村孝一社長も常々お話ししておられますが、この松川はアメリカのサンアントニオの川と非常に規模も似ていると。ですからサンアントニオのよいところを見習って、もっと研究して整備すべきだということをお話しされております。
松川といたち川の合流地点にちょうど、木を植えたら非常によいなという場所があります。構造的にもそんなに無理じゃないと思います。今コンクリでずっと張り出しておりますが、そこに木を植えて大きな木に育てれば、自然型の景観がつくり出せると思いますがどうでしょうか、あわせてお伺いいたしたいと思います。

高塚商工労働部長
新産業ビジョンにおきましては、魅力ある観光地の整備に取り組んでいくこととしておりますが、コンベンションの誘致は本県の観光地の活性化に大きな効果をもたらすものであります。この際、委員御指摘のとおり、アフターコンベンションの内容がコンベンションの開催地を決定する際の大きな要素となっておると考えております。
本県は、立山黒部アルペンルート、黒部峡谷、世界遺産の五箇山合掌造り集落や国宝瑞龍寺をはじめ、アフターコンベンションの場として魅力の高い観光コースを有しておりますが、富山市中心部における短時間の観光コースの設定も非常に重要であると考えております。
現在、富山市中心部の観光コースとしましては、富岩運河環水公園を中心とした富山駅北散策コース、それから民俗民芸村を中心とした歴史探索コース、また、今御提言の松川を中心とした芸術散歩コースでございまして、ここは常夜灯なり、あるいは松川べり彫刻公園、郷土博物館、富山博物館等を含む散策コースとなっておるわけでございまして、御提案のあった植栽等による新たな景観の創出も一つと考えられますが、今後、地元富山市と──松川公園の管理は、都市公園としては富山市でございますし、松川の河川管理は県でございますけれども、これらの関係者との連携も図りながら、さらに魅力ある観光コースの開発に努めてまいりたいと考えております。

 


2003.03.05 : 平成15年2月定例会 一般質問

◯12番(横山真人君)
最初に、潤いと安らぎのあるまちづくりに関して質問いたします。
平成9年9月、中沖知事はグッドラックとやまの中村社長と、このテーマについて対談されています。平成11年12月発行の『あいの風 夢のせて』の中にその対談内容が掲載されております。この中で知事、あなたは、「松川、いたち川、富岩運河を一体化することは、富山のまちづくりの歴史をたずねる意味においても大切である。神通川本流のあった跡を一連のものとして整備することにより、富山の特色を生かした富山らしいまちづくりが可能になると考える。松川には遊覧船が就航しているので、いたち川まで延ばすことができれば、駅北の船だまりで、遊覧船から水上バスに乗り継ぐことも可能になる。県においていろいろと問題点を検討している」と述べておられます。
知事は、平成元年に青年の翼の名誉団長として、アメリカ・テキサス州にあるサンアントニオ市を視察しておられます。そのときの感想を次のように述べておられます。

サンアントニオ市は、川をうまく活用したウオーターフロント開発の成功例として有名ですが、街の中心部には、リバーウオーク(水辺の散歩道)と名づけられた掘り割りがめぐっており、川辺には、レストラン、ホテル、コンベンションセンターが集まり、にぎわいを見せていました。また、ボートによる遊覧があり、川からも周囲の美しい街並みを楽しむことができました。川に面した劇場や周囲の雰囲気に合った庭園、橋や照明を効果的に使うなど、観光客をより楽しませるための多くの工夫が凝らされていましたし、清掃や樹木の手入れ、水質の保全などの管理も行き届いていて、心地よい環境が保たれていました。
市の中心部を蛇行して流れるサンアントニオ川は、数年に一度大洪水を起こしていましたが、川をつけかえることによってまず安全性を確保し、安全になった水辺空間を観光資源として活用するため公園や遊歩道を整備したと聞いています。これは暴れ川の水を治め、農業や産業にうまく利用することによって、住みよい県として発展してきた富山県によく似ていると思います。
川の王国富山県のウオーターフロントを考える上でサンアントニオ市に学ぶことが多いと思います。特に、これからの時代には、人々の生活に潤いと安らぎを与えてくれる快適で美しい環境づくりが大変重要だと思います。松川、いたち川、富岩運河を通した水と緑のネットワークづくりには、景観への配慮はもちろんのこと、遊び、飲食、音楽などの要素も取り入れながら、楽しくなるようにしたいと思います。

知事の、サンアントニオ市をリバーフロントの手本にして、水の都富山のロマンを実現したいという情熱が伝わってきます。
知事がサンアントニオ市を訪問されてから既に14年、中村社長との対談から5年以上の年月がたっています。知事は、今もそうした思い、構想をお持ちであるかどうかお伺いします。
平成11年8月、運河サミットinとやまが開催され、その実行委員長は中沖知事でありました。そして、河川環境管理財団に河川整備助成金を申請し、これが認められました。テーマは「運河と川、まちづくりとの連携」、サミットの位置づけとして「富岩運河と市中心部に通じる松川などの河川との連結を復活させ、まちづくりの観点から運河と河川の相乗的活用を図ることを目指している」としています。知事は内外にその実現への強い意欲を示されたのであります。
平成10年、牛島閘門が復元され、富岩運河といたち川は連結し、船の就航も可能となりました。しかし課題が多くあります。まず、いたち川改修と河床の掘削であります。いたち川の改修は、昭和39年度につくられたいたち川中小河川改修全体計画書に基づいて進められています。つまり治水対策事業として位置づけられています。これからの時代は、人々に潤いと安らぎを与える川、さらに人々が集いにぎわう川、そしてまちのシンボルとして、まちづくりと一体化して整備していく観点が必要であります。富山らしさという面から言うなれば、いたち川、松川、富岩運河を一連のものとして整備し、船の往来を復活させる河川回廊をつくり出すことが、新しい富山のまちづくりの起爆剤になると確信します。
現在、松川に就航している遊覧船を運航するためには、1メートル程度の水深が必要と聞いています。まず何よりも遊覧船の安全運航の確保、水位の安定化が図られなければなりません。松川合流点で水深を1メートル確保しようとした場合、どういう問題点があるのか、その対策とあわせて見解をお伺いします。
次に、リバーウオーク(水辺の遊歩道)の整備についてお伺いします。
洪水を防ぐために、蛇行していた神通川本流を直線化した馳越工事が1903年に完成し、今年で100周年を迎えます。これを記念して、秋に「川とまちづくり国際フォーラム」開催の準備が進められています。
さて、蛇行していた部分は、現在松川、いたち川、富岩運河としてその歴史を今に残しています。廃川地は埋められ、県庁や市役所、電気ビルが建っています。まさに富山のまちは神通川から生まれた水の都だと言えます。この神通川本流のあった跡を線状の公園として整備し、リバーウオーク(河川内の遊歩道)として新しい水辺空間を生み出すことができないか。
知事が視察し、感銘されたサンアントニオ川はまさにそのモデルであります。このリバーウオークを回廊して、例えば県民会館やオーバード・ホール、市役所などを行き来できるようにするとか、また四季を通して景観や飲食、イベントを楽しみ、さらに水に親しみ、にぎわいのある環境づくりを進めていく必要があると思います。その基本となるリバーウオークの整備についてどのような考えを持っておられるのか、お伺いします。
次に、松川の浄化、清流をよみがえらせる課題であります。
かつて松川には神通川から導水されていましたが、上流にダムができ、土石の採取によって神通川の川底が下がり、現在は冷川、四ツ屋川から取り入れられています。まちの中を流れる川は人々に潤いと安らぎを与えてくれるように、水を満々とたたえた美しい松川を取り戻す必要があります。
旧市内の下水道は雨水との合流式となっておることも大変問題であります。きれいな水質、水景を取り戻すために、富山市との協力、支援も含めてどのように考えておられるか、お伺いします。
富岩運河環水公園は、とやま都市MIRAI計画のシンボルゾーンとして昭和63年度に整備事業がスタートしました。10年度には親水広場、11年度には天門橋の完成と続き、全体面積9.7 へクタールの約50%が親水文化公園として整備されました。今や県民憩いの場として、また多様な活動の拠点として広く利用されています。さらに、魅力ある生き生きとした景観は、新しい都市のシンボルオアシスとなっています。
私は一昨年、仲間たちと「滝廉太郎II世号」に乗って夜のディナークルーズを楽しみました。中島閘門から展望する市体育館、サンフォルテ、自遊館あたりの光と水が織りなす魅惑的な夜景は、水の都ベネチアを思い出しました。
15年度から、富岩運河環水公園東側に遊覧船が運航できる小運河を掘削し、運河の中央部に人工島を造成する事業に着手するとのことでありますが、この環水公園が「東洋のベニス」を目指して整備されることを切望します。
この事業の予算及び事業内容、期間などはどうなっているのか、お伺いします。
いずれにいたしましても、富岩運河、いたち川、松川を通ずる遊覧船の就航が待たれるところであり、付加価値の高い新たな観光拠点として、その整備を急ぐ必要があります。水辺空間の豊かさを生かす整備とともに、運河の水面、水質の魅力づくりも大切であります。現状は決して良好とは言いがたいのでありますが、運河水質の現状とその改善策についてお伺いします。
平成13年度から22年度の10カ年を展望して策定された富山県民新世紀計画は、21世紀において富山県が目指すべき社会の姿を「豊かな自然と調和し、うるおいのある環境のなかで、生命が輝き、しあわせに生きる社会」とし、これを端的に表現するキャッチフレーズとして「水と緑といのちが輝く 元気とやま」を基本目標とするとうたっています。
先ほどから申し上げてきた富岩運河といたち川、松川の一体的な整備は、このキャッチフレーズにマッチしており、まさに新世紀の夢のある事業として取り組むべきと考えますが、知事の所見を問うものであります。
この事業推進に当たり、河川課、港湾課、都市計画課などの土木部に加え、関係部局、さらに富山市や有識者、市民団体などが参加する総合的なまちづくりプロジェクトとして取り組んでいくことを強く要望するものであります。

◯知事(中沖 豊君)
横山議員の御質問にお答えいたします。
最初は、潤いと安らぎのあるまちづくりについてでありまして、まず、知事はかつて松川、いたち川、富岩運河を一体化した水と緑のネットワークづくりについて提唱していたが、今もそうした構想を持っているのかという御質問であります。
本県は全国に有名な河川を多く持っておりますし、また全国屈指の緑の地域もあるわけでありまして、まさに水と緑の県であると考えております。このようなことから、まちづくりに際しましては、特に山岳から流れてきている川の流れを利用いたしまして、水と緑のネットワークづくりを進めていくことが極めて重要であり、また有効であるというふうに考えているのであります。
県としてはこれまで、例えば高岡市における千保川の環境整備や高岡古城公園への浄化用水の導入、また、新湊市における内川の環境整備や浄化用水の導入などを積極的に進めてきたところであります。
また、富山市におきましても、松川、いたち川、富岩運河がありまして、これを生かした水と緑のネットワークづくりの構想を持っておりましたが、ウオーターフロントの成功事例として有名な、アメリカでも最も観光客が多く集まる都市の一つでありますサンアントニオ市への県の青年の翼の事業に関連した訪問を契機に、これに倣ったまちづくり、都市づくりの思いを強くいたしました。
松川、いたち川、富岩運河は、富山市の中心市街地に位置する貴重な水辺空間でありますし、またこれから富山市の魅力あるまちづくりを進めていかなければならないわけでありまして、今後ともこの構想を積極的に進めていきたいと考えております。
次は、県都富山市の開発において、いたち川や松川の水辺空間を富山の顔として積極的に利用すべきと思うがどうかという御質問であります。
いたち川、松川は、県都富山市の中心部を流れる川でありまして、その水辺は県民、市民の憩いの場として貴重な自然空間であることから、富山市とも連携しながら、安全、快適に利用していただけるよう努力をしてまいりました。例えば親水護岸や遊歩道の整備、浄化用水導入による水質の改善、景観に配慮した橋梁の高欄や照明灯の設置、さらには国登録有形文化財に指定された桜橋やいたち川の由来などを紹介する案内標識の設置などを実施してきたところでありまして、今後とも引き続き取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
そこで、詳しいことはさらに土木部長への御質問に対する答弁でいろいろ申し上げたいと思いますが、もっと大きくいろいろと御紹介申し上げていきますと、県としましては、自然環境に配慮しながら水と親しむことができる水辺空間をつくるために、富岩運河環水公園、富岩運河緑地、河川の親水護岸などを整備すること。また、河川や公園、緑地などの一体的なネットワークを形成するために、いたち川と富岩運河を結ぶ牛島閘門を復元することや、河川沿いの緑地や水辺の散策路を整備すること。さらには、良好な水質の確保を図るために、浄化用水を富岩運河や松川へ導入することなども行ってきておるわけであります。今後ともいろいろな事業を積極的に進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、繰り返すようでありますが、松川、いたち川、富岩運河は、県民、富山市民にとりましてかけがえのない潤いと安らぎの空間でありますし、またこの地域は、これから国内外に誇るすばらしい水辺空間になると私は確信いたしております。こうしたことから、これらの一体的な整備につきまして、今後とも、富山市を初め関係機関や市民、団体等とも協力しながら、総合的また積極的に進めてまいりたいと考えております。

◯土木部長(森岡秀悟君)
潤いと安らぎのあるまちづくりについてのうち、まず、いたち川の改修において松川との合流点の水深を1メートル確保しようとした場合、どのような問題点があるのか、その対策とあわせて問うという御質問にお答えをいたします。
いたち川の改修計画では、洪水を安全に下流に流すために必要な断面を確保することから、河床掘削を行うことといたしておりまして、現在、富岩運河環水公園から赤江川合流付近までの掘削を終えたところでございます。松川合流点までの河床掘削は平成16年までに終える予定としておりますが、この河床掘削を実施した段階で、平水時における水深は約50センチというふうになると考えております。
松川合流点におきまして1メートルの水深を確保するためには、計画よりさらに河床を1.5 メートル程度掘り下げる必要がございますが、既に完成をいたしております護岸あるいは橋梁に及ぼす影響が大きいことから、現在進めております河川改修事業での対応は困難であるというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、馳越線工事前の神通川本流跡を線状の公園として整備し、リバーウオーク(河川内遊歩道)として新しい水辺空間を生み出すことについてどのように考えるかという御質問にお答えをいたします。
いたち川、松川では、河川改修にあわせまして、桜並木沿いの園路や修景整備などを行ってまいりましたが、あわせて水際沿いに小段を設け、桜並木や水面を介してまち並みの景色を眺めることで、人々が潤いと安らぎを感じられる空間を形成していくことも大切なことであるというふうに考えておりまして、これまでも水辺の遊歩道整備に努めてきたところでございます。
このうち、松川の河川内遊歩道、いわゆるリバーウオークでございますが、これにつきましては、これまで、桜橋の下など一部の区間を除きまして、県道小竹諏訪川原線の舟橋からいたち川合流点までの延長850 メートルで整備を完了いたしておりまして、多くの方々に利用していただいているところでございます。
また、河川断面の確保という治水上の問題や橋の構造上の問題から河川内遊歩道の設置が困難な箇所につきましては、回遊性を確保していこうという観点から、案内標識による誘導や橋梁に近い位置での階段の設置など、いろんなそういう回遊性を確保する方策について、今後検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
次に、松川のきれいな水質、水景を取り戻すための方策について、富山市との協力も含め、どのように考えているのかという御質問にお答えをいたします。
河川の水質が悪化する原因といたしましては、河川水量の減少による場合、それから河川に流れ込む排水の水質による場合とがございます。こういったことから、松川におきましては、水量が減少する時期に水質の改善と安定した流れを維持するために、土川の水を佐野川を経由いたしまして導水をしておるところでございます。
また、松川には富山市の中心市街地の排水が流れ込んでおるわけでございますが、この区域の下水道が雨水と汚水が同じ管で排出される合流式であることから、富山市におきましては、平成15年度から合流式下水道改善計画の策定に着手することといたしておりまして、今後、松川に流れ込む排水の一層の水質改善が図られるものと考えております。
今後とも、水と緑豊かな県都づくりが進められるよう、富山市とも連携しながら松川の水質改善に努めてまいりたいと考えております。
次に、富岩運河環水公園の東側における整備内容等に関する御質問にお答えをいたします。
富岩運河環水公園は、運河の船だまりを活用いたしまして、自然と人とが調和した水環境の実現を図り、21世紀における県都のシンボル的オアシスとなるよう、県において整備を進めてきたところでございます。
これまで、全体計画の面積約9.7 ヘクタールのうち5.1 へクタールの区域におきまして、泉と滝の広場、天門橋、芝生広場等の整備を行ってきたところでございまして、県民はもとより富山を訪れる多くの方々から広く親しまれているところでございます。
未整備区域のうち、東側といいますか北東側の約2.5 ヘクタールにつきましては、御質問にもございましたが、小運河の開削やそれに伴う人工の島の造成、野鳥の休憩場所、いわゆるバードサンクチュアリでございますが、そういったものの整備、小ステージと芝斜面を活用した観客席の整備などを予定いたしておりまして、より親水性の高い区域として整備していきたいと考えております。事業費につきましては約10億円を見込んでおりまして、平成15年度から順次整備をしていきたいと考えております。
そういったことを通じて、公園の魅力をさらに高め、県民により一層親しまれるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、富岩運河の水質の現状と改善等についての御質問にお答えをいたします。
富岩運河の水質の現状につきましては、BOD(生物化学的酸素要求量)で見ますと、昭和40年代後半の1リットル当たり約7ミリグラムから、近年では約2ミリグラムと改善をされてきております。この間、県といたしましては、富岩運河の水質環境を改善するため、1つには、有機汚泥のしゅんせつを平成2年度から行ってきておりまして、これまで全体延長約5.1キロのうち、国道415 号の萩浦小橋より上流側約4.3 キロのしゅんせつを終えたところでございます。また2つ目といたしまして、平成11年度にいたち川からの導水施設として水門やラバーダムの建設に着手し、昨年の4月に供用したところでございます。
しかし、一昨年5月に富岩運河がダイオキシン類に汚染されていることが判明をいたしましたため、さきにもお答えをいたしましたように、現在、富山県富岩運河等ダイオキシン類対策検討委員会におきまして対策工法の検討を進めておるところでございます。
いずれにいたしましても、よりよい水質の確保は、御指摘のとおり、運河の魅力づくりや一層の利活用につながる重要なことと考えておりまして、今後とも富岩運河の水質環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

◯12番(横山真人君)
いたち川、松川、富岩運河等を一体化した整備について、御質問を総合的に、あるいは具体的に申し上げましたが、特にいたち川、松川の合流点を中心とした河川整備あるいは掘削について、土木部長から、治水対策はほぼ終わった、それ以上の掘削は難しいという答弁がありました。
治水対策という面からいけば、それで一つの一定の判断がされるんでしょうけども、私の質問に対して知事も御答弁されましたように、富山内港、中島閘門、富岩運河、いたち川、松川、これを一体的な水と緑の空間として整備するということで、総合的なまちづくりの観点で抜本的に私は取り組んでほしいと。言うなれば、30年、50年のスパンでこれら一帯を整備して、知事がおっしゃるように、国内外に誇れるそういう要素があるわけですから、やはり総合的にこれを進めていくという体制をつくって、そして短・中・長期にわたってどう整備していくのか、そういったことが私は大事だろうと思っているんです。
一つの課、一つの部のセクションにこだわることは、一番問題だろうと思っているんです。私は最初の知事の答弁を了としますが、逆に足を引っ張らないように、広い視野で、この貴重な県民の財産である富岩運河、いたち川、松川の一体的な整備をぜひ進めてほしいというふうに思うんです。これは知事に改めて決意をしてもらわないと、どうも私の感じでは、下のほうで足を引っ張っているんじゃないかという感じがするんで、そのへんを改めて鮮明にしてほしいと思います。

◯知事(中沖 豊君)
横山議員の再質問にお答えいたしますが、私も、松川、いたち川の合流点の関係も含めまして、あの地域一体の整備が大事であるという、そういう考え方を持っているわけでありますが、その場合に、今御指摘のように、いたち川と松川の合流点を、いつまでにどの程度の深さにするかという点が非常に問題であります。
議員御指摘のように、根本的にいろいろやるということになれば、堤防工事などでいつまでも時間がかかる。私は、いたち川、松川の合流点を含めまして、少なくとも現段階では50センチだけ掘れば、すぐ一体化できて、あの交流が便利になってくるわけでありますから、まずはそれをやりなさいという指示をいたしました。それで、とりあえず50センチ掘れば、すぐ松川、いたち川が一体化し、そして環水公園までいろいろ交流ができるわけでありますから、まずそれを急ごうじゃないかということを言っておるわけであります。
もちろん、将来、松川合流点を含めました堤防、河川の整備をどのようにするかということは、これからいろいろ調査をし、検討はしていかなければならないというふうには思いますけれども、とりあえずは16年末までに50センチを掘って交流を進めるということで御理解をいただきたい。将来、いろんな問題についてはさらに調査検討をするということで御理解をいただきたいと思います。


◯18番(吉田良三君)

地域開発、地域づくりは、地域固有の資源を生かした、住民による住民のためのまちづくりが必要と思われます。富山市でも支援すると聞いておりますが、10年後には北陸新幹線も開業する予定であります。県都富山市の開発において、中心部を流れるいたち川や松川の水辺空間を富山の顔として積極的に利用すべきと思うが、この点についてお伺いしたいと思います。

◯土木部長(森岡秀悟君)
次に、県都富山市の開発において、いたち川や松川の水辺空間を富山の顔として積極的に利用すべきと思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
いたち川、松川は県都富山市の中心部を流れる川であり、その水辺は県民の憩いの場として貴重な自然空間であることから、富山市とも連携しながら、安全・快適に利用していただけるよう努めてきたところでございまして、例えば親水護岸や遊歩道の整備、浄化用水導入による水質の改善、景観に配慮した橋梁の高欄や照明灯の設置、国登録有形文化財に指定されました桜橋や、いたち川、松川の由来などを紹介する案内標識の設置などを実施してきたところでございまして、今後とも引き続き取り組んでいきたいというふうに考えております。
議員御指摘のように、このいたち川、松川の水辺空間を富山の顔の一つとして有効に活用していくことは大変大切なことであるというふうに考えております。富岩運河環水公園まで含めまして豊かな水辺空間を楽しみつつ、まち歩きを楽しむ回遊路として活用することや、城址公園などと一体として歴史・文化・観光ゾーンとしてとらえまして、中心市街地などとの連携を図りながら、その活性化を図っていくことも重要であるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、まちづくりの観点からは富山市が主体的に取り組むべきものではありますが、県としても積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
また、ことしは神通川馳越線工事の 100年に当たりますことから、県といたしましては、関連するイベントに対して支援をしていくこととしておりますが、こうした中で、水あるいは水辺空間の利活用などにつきましても議論が深まっていくことを期待しているところでございます。


2003.03.10 : 平成15年2月予算特別委員会

3 : 杉本委員
杉本委員 おはようございます。
予算特別委員会のトップバッターとして発言できることを大変光栄に思います。
最初に、神通川本流跡の河川回廊化について触れてみたいと思います。
富山国際会議場が平成11年8月にオープンし、関係の皆さん方の御努力により、最近各種の会議、コンベンションが開催され、県都富山市における最近のコンベンションの参加数は約20万人ぐらいだと聞いております。会議、コンベンションの場所が決定される要因の一つに、アフターコンベンションといって、会議の後、近くに散策できる場所があるということが重要であると聞いております。そういう点で、国際会議場、全日空ホテル、第一ホテル、名鉄ホテルなどから歩いて来られる場所にある松川周辺の整備というのは非常に大切であると思います。
この地域は、関係の皆さんの今までの御努力により、船だまりの整備や松川べりの植栽、また遊覧船の運航など、富山県民やアフターコンベンション、会議出席者の皆さんの散策の場として人気を呼んでいます。関係の皆さんの御努力に改めて敬意を表したいと思います。
さて、ここに『サンアントニオ水都物語』という本があります。これを回しますので、皆さん見てください。
アメリカのテキサス州にサンアントニオという町があります。1920年代後半にロバート・ハグマンという一人の建築家が、サンアントニオの都心部を流れるサンアントニオ川を保全する計画を作成し、長い時間をかけて、それまでは何の魅力もない田舎の町・サンアントニオ市を、婦人団体や保全団体の協力を得て立派に整備したということが詳しく述べられています。
水辺の遊歩道や遊覧船が行き交う水辺空間を創出し、コンベンションセンターやホテルやレストラン、リバー劇場がずらっと並び、人々でにぎわっています。今では年間 1,400万人もの観光客を呼び込み、全米ナンバーワンのコンベンションシティーとなっています。
ここに、サンアントニオ市の地図と松川周辺の地図があります(資料を示す)。皆さん、どうですか。この2つの地域は非常に似通っております。そのことに気づかれたと思います。この神通川本流跡をサンアントニオ市みたいにもっと大胆に整備をすれば、もっとすばらしいものになると思います。
神通川は私たちに多くの恵みをもたらしてくれました。自動車や鉄道などの交通の便のなかったときには、飛騨地方の木材を運んでくれました。そして、私の地元の東岩瀬からは、いろんな物資を積んだ船が、蛇行したこの川を上ってきていました。明治の終わりにこれをショートカットして現在の流れになったわけでありますが、その後富岩運河を開削し、その土砂を利用して神通川の廃川地を埋め立て、現在のこの県庁も市役所もその上に建てられております。ですから、神通川を大きなヘビ、大蛇に例えますと、この地域はまさに神通川の卵、金の卵であります。またそのような形をしております。私たちは、この神通川の恵みに感謝しなければいけないと思います。
中沖知事さんは平成元年に県の青年の翼の名誉団長として、このサンアントニオを視察しておられます。そして平成9年「グッドラックとやま」の中村孝一さんとの対談の中で、こう述べておられます。これは中沖知事さんが平成11年に刊行されました「あいの風夢のせて」に載っております。それを少し読んでみたいと思います。
「川の王国・富山県のウオーターフロントを考える上で、サンアントニオ市に学ぶことが多いと思います。特にこれからの時代には、人々の生活に潤いと安らぎを与えてくれる、快適で美しい環境づくりが大変重要だと思います。松川、いたち川、富岩運河を通した水と緑のネットワークづくりには、景観への配慮はもちろんのこと、遊び、飲食、音楽などの要素を取り入れながら、楽しくなるようにしたいと思います」。これは、当時中沖知事さんが述べられたものを、この本に載せたわけであります。ですからこれは、中沖知事さんが県民に向けて発した公約であると思います。
そこで、うそをつかれないことを信条としておられる中沖知事さんに、改めてお尋ねいたします。
いたち川や松川の河床を掘り下げ、遊覧船も自由に運航のできる水の都・富山のシンボルとして河川回廊を整備するとともに、川べりに商業施設を集めた新たなにぎわい空間を創出するという構想について、中沖知事の所見をお伺いいたします。

中沖知事
御指摘ありましたように、私も青年の翼の皆さんと一緒にアメリカ・テキサス州のサンアントニオを視察してまいりました。サンアントニオは、今お話しのように全米トップの国際的な観光都市になっておるというふうに思いますが、あの地域を見ますと、富山市のこの県庁周辺と全く似ておるのでありまして、それならば、富山市のこの県庁周辺の地域を本当にすばらしい観光、そしてまた潤い、ゆとりの地域に発展させていいというふうに思ったわけでありまして、そのように努力してまいりました。松川につきましても、周辺は随分きれいになってきたというふうに思いますし、またいたち川の改修でありますとか、あるいは富岩運河の環水公園の整備など、着実に整備してきたつもりでおります。
そこで、いたち川、松川、富岩運河環水公園の水辺空間というのは、やはり富山のシンボルとしてこれからも有効に活用していくことが必要であると考えているわけであります。このために、今お話しのように、今後さらに、水辺に散策を楽しむ遊歩道をつくること、あるいは川べりに商業施設などを整備すること、さらには城址公園などと一体として歴史・文化・観光ゾーンとしてとらえ、中心市街地との連携を図ることなど、新たににぎわいの創出について進めていくことが必要であるというように考えております。
ただ、そのためには、当面いたち川と松川の合流点の河床を掘り下げる問題があるわけであります。どれだけ掘り下げるかという問題につきましては、先般も議会で御質問ありましたが、当面の方法としましては、水深約50センチにする方法があるわけであります。ただ、根本的にもっと深い水深を確保するということになりますと、護岸の基礎の矢板の問題など技術的な問題もありますし、また当然工事費や工事期間などについても検討していかなければなりません。
それからまた、松川、いたち川、富岩運河の一体的な利用としての遊覧船の問題もあるわけでありますが、この遊覧船の問題につきましても、いろいろ構造の問題など検討していただきたいと思いますけれども、県としても積極的に協力する気持ちを持っております。
いずれにいたしましても、いたち川、松川、富岩運河は、県民や富山市民にとりましてかけがえのない潤いと安らぎの空間であります。今後一体的な整備を進めていかなければなりませんが、富山市初め関係機関・団体、そして県民、市民の皆さんとも一体となりまして、知恵を合わせてひとつ整備に努力をしていきたいと思っております。

杉本委員
この地域の魅力を増す上において、遊覧船が松川から環水公園まで運航できるということは非常に重要な要素だと思っております。多少お金がかかる面があるとは思いますが、サンアントニオ市のように、国内、また海外から多くの人を呼び寄せるということができれば大変すばらしいことだと思います。幸いなことに、富山のもう1つの目玉、立山黒部アルペンルートとも近い距離にありますので、連携することができます。ここに人が集まれば、新たに若い人たちの雇用の場が生まれます。
中沖豊さん、あなたは非常によい名前を持っておられます。水に囲まれたこの真ん中の地域を豊かにする人。「豊」という字は曲がったことの嫌いなまめな人とも読めますし、また曲がりくねった松川べりをまめに整備して立派にすると。これがあなたの使命であると思いますし、中沖さん、あなたならこれができると思います。「あいの風 夢のせて」に述べておられる公約に違反のないように、ひとつしっかりと整備に力を入れていただきたいと思います。
それから、役所のあなたの部下の人が難しいことを言われても、少しそれに前向きに突き進んで、知恵を出せば突破できることがあると思いますので、最後はあなたの指導力にかかっていると思いますので、ひとつそのことを要望して、次の質問に入りたいと思います。
そこで、今述べましたように、サンアントニオみたいに整備をするには莫大な工事費と年月がかかると思います。それで、手っ取り早くできることから始めることもまた大切だと思います。松川べりにツツジなど桜以外の植樹を行い、一年じゅう花と緑が楽しめる空間を整備してはどうかと思いますが、土木部長にお尋ねいたします。

森岡土木部長
いたち川、松川につきましては、御案内のように、水と緑の空間を創出するために、河川の法肩にツツジやサツキなどの植栽を行ってきたところでございます。また、河川沿いには、市におきましてもアジサイ、アベリア、ベニカナメなどを植栽し、春から秋にかけて切れ目なく季節感が味わえるよう整備をしてきたところでございます。
桜並木の間などで一部に植栽のないスペースもございますが、桜の保存でありますとか、あるいは維持管理上の問題を考慮の上、実施できるところについては富山市とも協議しながら植栽を検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、いたち川、松川は市街地の貴重な水辺空間でございますので、花や緑が楽しめる空間となるよう、今後とも創意工夫に努めてまいりたいと考えております。

杉本委員
サービス答弁、ありがとうございます。
洪水を防ぐために神通川本流を直線化した馳越工事が1903年に完成して、ことしで100 周年を迎えます。もとの蛇行していた部分は松川、いたち川、富岩運河として、その歴史を今に残しています。この神通川本流のあった跡を一連のものとして整備することによって、富山の特色を生かした富山らしいまちづくりが可能になり、海から富山市中心部までの船の往来を復活させることも期待できます。
また、神通川本流のあった跡を線状の公園として整備し、河川回廊として誕生させれば、富山平野の平たんさの中でレリーフのような深みを与えてくれるに違いありません。
いたち川の下流、牛島閘門の下流に設けられたラバーダムの水位が保たれるよう、松川の上流の舟橋まで河床を掘り下げ、河川回廊を創出することができれば、交通の便利な都心部の道路面の下に、川を中心とした数々の利点を生み出すことができます。幾つか述べてみます。
1、河床の掘り下げにより洪水対策が一層万全となるとともに、現在橋が低くて河川内遊歩道(リバーウオーク)のない桜橋、安住橋の下の遊歩道もつなぐことができます。
2、河床の掘り下げに合わせて河川内遊歩道も下げれば、河川回廊は峡谷にも似た空間を生み出すことになり、都会の混雑や世俗的な世界から遊離されることになります。
3、河床の掘り下げにより、神通川本流のあった跡は周囲の市街地の道路より4メーターから5メーター──現在より2メーターから3メーター低くなります。この高低差によって、河川回廊はほかから隔絶した強い一体感を持つとともに、水の存在が、夏には河川沿いの遊歩道を上の道路より5度から6度低くしてくれます。
4、河床の掘り下げにより神通川本流跡に生まれる河川回廊は、車社会にあって珍しく自動車交通から隔離され、むしろテーマパークのような質の環境を県都富山市の中心部につくり出すことができます。
5、河川回廊の誕生によって、富山市中心部と東岩瀬間を車の危険や信号にとめられることなく自由に回遊できるようになり、神通川から生まれた富山の歴史を川の中から訪ねることができるようになります。
6、神通川本流跡に生まれる河川回廊は、地上の重要なオープンスペース、文化施設、歴史的地区とは、階段、スロープ、建物内のエレベーターでアクセスでき、川を中心とした都市軸の展開が可能になります。
7、下流のラバーダムによってもたらされる水位の安定化により川の流れは緩やかになり、水深も保たれ、松川、いたち川、牛島閘門を通って富岩運河、中島閘門と、海から富山市中心部への船の往来を復活させることになります。
8、洪水時、ラバーダムを倒すことによりリバーウオークへの増水を防ぐことができ、将来、サンアントニオのように、川べりにレストラン、ホテル、ショップといった商業施設を初め、自然あふれる森林公園の創造も可能になります。
9、神通川本流跡一帯は富山城を中心に城下町が築かれ、富山発祥の地として歴史的な場所であり、河川回廊は都市の再開発に当たり、水の都・富山のグランドデザインの中核として一層その輝きを増すことになります。
そんな遠くない将来、県庁の建てかえということも出てくると思います。そのときには、現在の松川べりの車道をなくして、その部分を松川と一体化するということも考えられると思います。
国土交通省の富山工事事務所所長をしておられた久保田勝さんは、河川局河川環境課都市河川室長も歴任されておられますが、久保田さんはこう言っておられます。「国も川の再生を大きなテーマに掲げている。川に沿った建築物と一体となった水辺のテラス、遊歩道などを整備することにより、人々が集いにぎわう川、まちに潤いと安らぎを与える川、まちのシンボルとしての川に再生しようと、平成7年に河川再生事業を創設。やる気のある自治体をバックアップしているので大いに利用してほしい。河川再生計画を申請されて河川局長が認定すれば、国から事業費の3分の1の補助を受けられる。大阪市の道頓堀川など多くの地域で実施されています」。大阪市の道頓堀川では平成7年に着工し、平成36年完成を目指して、今着々と工事が進められております。
国土交通省の河川環境整備事業の採択を受け、松川、いたち川、富岩運河が一体となった河川回廊創出計画を策定し、富山市とともに取り組むべきだと思いますが、どうでしょうか、土木部長のお考えをお尋ねいたします。

森岡土木部長
松川、いたち川、富岩運河につきましては、今委員からも御指摘ございましたように、富山市の中心市街地に位置する貴重な水辺空間でありますので、これまでも、これらを一体的にとらえてネットワークを形成するように、親水護岸や遊歩道の整備、浄化用水の導入による水質の改善など、河川環境に配慮した整備に努めてきたところでございます。
サンアントニオの例もいろいろ申されて、私どももいい点を十分参考にしていく必要があろうというふうに思っておりますが、サンアントニオといたち川、松川の違いは、いたち川につきましては、特に洪水を処理しないといけない。大水のときにそれを処理する川でございまして、一方、サンアントニオの場合には、そういった川から、ある意味では切り離された形で、洪水を処理する必要が基本的にない川でございますので、そういった治水面についての取り扱いの差があろうかと思いますが、いい点については十分取り入れて取り組んでいきたいというふうに思っております。
そういった中で、河川環境整備事業につきましては、これまでも松川で取り入れてきておりますが、近年の国の考え方では、水辺環境が劣悪な市街地などにおいて河川を本来の川らしい姿に再生する場合や、市街地再開発事業などと一体となった河川整備を行う場合に採択されるものでありますことから、現時点での採択は困難であるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今後とも河川環境に配慮した整備には十分努めていきたいというふうに思っておりますし、また委員御指摘のありましたように、河川周辺において大規模な土地利用の変更が見込まれる場合には、富山市とも連携しながら河川と一体となりました計画策定を検討してまいりたいと考えております。

 


2003.09.19 : 平成15年9月定例会 一般質問

◯10番(佐藤英逸君)
次に、河川回廊についてお聞きします。
本年の2月議会一般質問や予算特別委員会で、松川、いたち川、環水公園を河川回廊として整備する問題について多くの質問がありましたが、改めて松川、いたち川、富岩運河を河川回廊として整備する考えはないかお聞きします。
いよいよリバーフェスタinとやまが、本日午後から「川と街づくり国際フォーラム」を皮切りに始まります。フォーラムでは、サンアントニオ市公園管理者リチャード・ハード氏がわざわざ来県し、基調講演やシンポジウムが行われる予定となっています。
私は十数年前、福岡県柳川市の川下りといいますか、船による街めぐりを体験しました。市街地を流れる川が下水処理が不十分なためドブ川と化し、流れも悪く、ヨシやススキが生え、埋め立てて道路にすることになりましたが、事業着手する寸前、一市職員が勇気を持って市長に訴え、現在から考えると貴重な水辺が残り、檀一雄の石碑などが建ち、今や観光スポットになっています。
そういえば、松川や富岩運河も、一時道路にする意見が出されたように聞いています。神通川馳越線工事から 100年、まさに百年の大計とはこのことであります。廃川地に県庁などが建ち、富岩運河の水辺が誕生し、結果として大水害もなく過ごしています。今では公園として整備され、県民の憩いの場となっています。
富山市の中心部、松川を中心に南北 277ヘクタールは合流式下水道となっており、大きな雨のとき下水管に雨水が流れ込み、臭いにおいや汚れが松川に流れ出しています。このため、国が合流式下水道緊急改善計画を創設する機会に、全国 192都市とともに、富山市も今後10年間を対象とした合流式下水道緊急改善計画を策定するとのことであります。10年後には新幹線が富山まで完成します。馳越線工事から 100年、都市観光が叫ばれている今、各議員からも強い提案がありました。私も近い将来、ぜひサンアントニオ市を視察したいと思っております。
富山市において合流式下水道緊急改善計画が事業実施されれば川もきれいになることから、この機会にあわせ、松川、いたち川、富岩運河を河川回廊として整備する夢の実現に向かって、時間はかかっても前進させていただきたいと思いますが、知事の御所見をお伺いします。

◯知事(中沖 豊君)
佐藤議員の御質問にお答えいたします。私からは、まず河川回廊についてお答えいたします。
松川、いたち川、富岩運河を河川回廊として整備する考えはないかという御質問であります。
富山市の中心市街地に位置しております貴重な水辺空間であります松川、いたち川、富岩運河を一体的に整備することは、非常に重要であると考えているのであります。
このため県としましては、まず自然環境に配慮しながら、水と親しむことができる水辺空間をつくりますために、河川の親水護岸や富岩運河環水公園、富岩運河緑地などの整備を行ってきております。また、河川や公園緑地などの一体的なネットワークを形成するために、いたち川と富岩運河を結ぶ牛島閘門を復元することや、河川沿いの緑地や水辺の散策路の整備も行ったところであります。
そしてこれからは、さらに松川、いたち川、富岩運河を、御指摘の河川回廊として、また船によって遊覧するということが議論されてくるのではないかと思っております。
現在、いたち川の改修事業を行っておりまして、川を掘り下げる河床掘削を進めておりますが、これが終わりますと、約50センチの水深が確保できるものと考えます。ただ、もっと深い水深を確保するということになりますと、護岸基礎の矢板の問題、それから技術的ないろいろな根本的な問題もあるわけでありまして、工事費あるいは工事期間などについても、今後十分検討していかなければなりません。
こういうこともありますので、遊覧船の運航を急ぐというようなことであれば、松川、いたち川の河川の状況を踏まえて、今後民間において、船の構造──船底の深さの問題などを検討してもらいたいと思うわけであります。
そして、ちょうど御指摘にもありましたが、本日の午後、神通川馳越線工事 100周年を記念した「川と街づくり国際フォーラム」が開催されるのでありますが、この河川回廊の問題などにつきましても議論されるものというふうに思っておるのでありまして、そこでの意見も今後参考にしてまいりたいというふうに思います。
いずれにいたしましても、松川、いたち川、富岩運河は、県民や富山市民にとりましてかけがえのない潤いと安らぎの空間であります。したがいまして、富山市を初め関係機関・団体、そして県民、市民の皆さんと一体となりまして、まさにサンアントニオの事例もありますが、知恵を出し、魅力ある水と緑のネットワーク──議員はすばらしい河川回廊という御指摘をしておられるわけでありますが、そうしたネットワークが形成されるように努力をしてまいりたいと考えております。

 


2003.12.08 : 平成15年12月定例会 一般質問

3 : ◯19番(中川忠昭君)
先般、全米有数の年間1,000 万人の観光客が訪れる国際観光都市のサンアントニオ市を、同僚県議と市議会の皆さんとで視察してまいりました。メインは、サンアントニオ川を利用して開発されました水辺の散歩道であるリバーウオークであり、その周辺には、木々に囲まれた中にホテル、レストラン、コンベンションセンター、その間にはせせらぎなどがあり、心和むすばらしいまちでありました。
松川やいたち川は、サンアントニオ川と比べると規模的には大きく、水質もよく、さらに立山連峰が望めるなど、資源的にはかなり高いポテンシャルを持っていると感じております。
そこで、北陸新幹線の開通をにらんで、本県経済活性化のため、滞在型の観光拠点都市富山の基盤づくりとして、松川、いたち川の水辺空間を生かすため、サンアントニオ市のようなにぎわいのあるリバーウオークプランを県が主体となって策定すべきと考えますが、森岡土木部長にお伺いいたします。

◯土木部長(森岡秀悟君)
観光振興についてのうち、松川、いたち川の水辺空間を生かすため、サンアントニオ市のようなにぎわいのあるリバーウオークプランを県が主体となって策定すべきと考えるがどうかという御質問にお答えをいたします。
県都富山市におきましては、その魅力づくりなどの観点から、中心市街地に位置する松川、いたち川、さらには富岩運河に至る貴重な水辺空間を有効に活用していくことは、議員御指摘のように重要なことであるというふうに考えております。
このため、これまでも県では、富山市と連携もしながら、親水護岸や緑豊かな川沿い、あるいは川べりの遊歩道の整備、また景観に配慮した橋梁の高欄や照明灯の設置、さらには国登録有形文化財に登録された桜橋やいたち川、松川、富岩運河の由来などを紹介する案内標識の設置などを行ってきたところでございます。
また、今年度は、神通川、松川、いたち川及び富岩運河とその周辺地域の歴史や見どころを載せましたカナルリバー周遊マップを作成するなど、水辺空間を安全、快適に利用していただけるよう積極的に取り組んできたところでございます。
議員御指摘のリバーウオークプランは、サンアントニオ市のように、水際の遊歩道沿いにレストランやホテル、店舗などが立ち並び、川とまちが融合したにぎわいのある空間づくりをイメージされたものというふうに考えておりますが、松川及びいたち川では、現状におきましては、サンアントニオ市とは異なり、大雨のときには水位が上昇し浸水するおそれもあることなどから、難しい面もあるというふうに考えております。しかしながら、サンアントニオ市の水辺を生かしたいろいろな取り組みは見習う点も多く、生かせるものについては今後十分参考にしてまいりたいと考えております。
また、水辺空間を生かした観光拠点づくりなどのプランの策定といったことにつきましては、まちづくりの観点からも、富山市において主体的に取り組んでいただくべきものと考えておりますが、県としても、その際には積極的に協力してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

 


2003.12.12 : 平成15年12月予算特別委員会

五十嵐委員
私の家の裏には富岩運河がありまして、国の重要文化財に指定されています。中島閘門まで歩いて30秒足らずで行くという、そういった土地で生まれまして51年余り、来週で52年になるんですけども、そういったところに生まれ育っている関係で、この富岩運河の問題は、私の県議会でのライフワークの一つとしてこれからも取り組んでいきたいと思っております。そんなこともありまして、きょうの予算特別委員会で、最初にこの富岩運河の問題を幾つか議論させていただければというふうに思っております。
昭和初期に、県都富山市の工業化を担う産業施設としてデビューした富岩運河ですが、当初の使命を終えた運河は、水も汚れてきたため、一たんは埋め立て計画により姿を消すことになっておりました。私どもの地域でも、富岩運河が道路になれば、大変広い道路が家の裏にできるじゃないかと。そういったことで大変期待していた人たちが多かったのも事実でございます。しかし昭和59年に、方針の転換に伴いまして、都市に残された貴重な水辺として保存活用していくことになりまして、それ以後、しゅんせつや遊歩道の整備、中島閘門、牛島閘門が復元整備されてきておりまして、地域に住む人間にとりまして大変感謝しているところでございます。
この埋め立てからの方針転換は、私も当時、県庁の記者クラブで仕事をしておりました関係から経緯を知っている一人でございますけども、中沖県政の1期目の大英断と思っております。それ以来20年、着実に整備が進んでおります。
9月に出されました富岩運河活用検討委員会の報告の中で、富岩運河について、「昭和初期に県都富山市の工業化を担う産業施設としてデビューし、平成の今、水と緑の都市施設としてよみがえった富岩運河は、「土木技術が集積された施設」「町づくりの歴史を物語る施設」であると同時に、「水、緑、生物など豊かな自然を湛えた器」ともなっており、いわば都市環境装置として、今後、富山の町づくりを進める上で大きな可能性をもった近代化遺産であることが分かった」と、この検討委員会の委員長であり、元県の土木部長であります白井さんは書いておられます。
中沖知事は、過去何度も本会議あるいは予算特別委員会でこの富岩運河の問題を答弁されておりますけども、私の予算特別委員会の初質問に免じまして、この運河につきまして、富山県にとってどのような意義を持つものなのであるか。また、知事はこの富岩運河についてどのような思いをお持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。

中沖知事
富岩運河は昭和初期に建設されまして、富山県の工業の発展や地域開発にとりまして極めて大きな役割を果たしてきたものでありまして、富山北部工業地帯の形成、富山港の機能の拡充、運河を開削した土砂を利用した富山市中心市街地の整備など、富山県の近代化を象徴する画期的な施設であります。
また、この運河は都市内の貴重な水面であることから、富山県の新たな観光や県民、市民の憩いの場としても、今後有効な活用が期待されておりまして、富岩運河環水公園とあわせて富山市のシンボルとなるものと考えております。そして、このような運河そのものに加え、周辺には、北前船の歴史を残す岩瀬の町並みや馬場記念公園など歴史的、文化的な施設も残っております。
このように、この富岩運河は富山県の近代化を象徴する施設でありますとともに、また富山市のシンボル的な施設でもあるわけでありますし、まさに富山県の歴史、文化、経済、その他いろんな面で高く評価されるべき施設であるというように思っております。
こうしたことから、今後とも、この富岩運河環水公園や富岩運河緑地の整備を図るとともに、環境対策も積極的に進めていかなければならないと思っております。また、地元富山市や地域の住民の皆さんなどと連携して、利活用についても積極的に取り組んでいきたいと思っております。
それからまた、先般、富山市の関係の皆さん方がアメリカ屈指の観光都市でありますテキサス州のサンアントニオ市を訪問されましたが、富岩運河と地形環境がよく似ておりまして、観光などでもサンアントニオ市のよいところを取り入れて、ぜひ飛躍してもらいたいと思っているわけであります。
なお、私個人としてでありますけれども、運河に近い馬場記念公園はかつて旧制富山高校のあった場所でありまして、私も実はその卒業生の一人であったわけでありますが、そういうことからも、運河に対しまして人一倍思い入れも強いものがあるというふうに思っております。
いずれにいたしましても、私は、富岩運河が21世紀において国内外に誇ることができる運河となるように努力していかなきゃならないと思っております。

 


2004.03.08 : 平成16年2月定例会 一般質問

◯23番(杉本 正君)
朝積もっていた雪もすっかり解け、富山平野に春が訪れ、穴の中の虫も動き始め、小鳥たちが愛をささやく季節がやってきましたが、中沖知事に続き、あの長嶋茂雄さんも同じような病気で入院されました。元気印のお二人の一日も早い回復をお祈りしますとともに、私たち議員も、大永副知事を初め県庁幹部の皆さんも、お互いに健康に気をつけたいものだと思います。
2月定例県議会に当たり、幾つかの点について、自民党議員会の議員の皆さんの意見も参考にしながら質問いたします。
先日、次期アメリカ大統領選挙の候補予定者の、共和党のブッシュ大統領と民主党のケリー上院議員のプロフィールが新聞に載っておりました。それによりますと、ブッシュ大統領はテキサス州知事を経験し、好物はメキシコ料理だと書いてありました。
昨年11月末、そのテキサス州にあるサンアントニオの川辺の散歩道「リバーウオーク」の視察に行ってまいりました。横山真人県議、中川、佐藤、五十嵐県議、そして私を含めて5人の県会議員、それと富山市議会議員の方11名と、島倉幸夫元富山県土木部長さん、今井清隆元富山土木事務所長さん、中村孝一グッドラックとやま社長さんの19名で行ってまいりました。
このサンアントニオのリバーウオーク地域は、富山市の松川に非常によく似た地形であります。サンアントニオ川も神通川と同じように、以前は曲がりくねっていて、そのためサンアントニオの中心街がたびたび洪水で水浸しになっておりました。その対策のため、川を真っすぐにし、ダムをつくって水量を調整し、そして元のサンアントニオ川の川辺に生えていた樹木を生かしながら、会議場やホテル、レストランなどを配置し、川べりをゆったりと散歩することのできる川辺の散歩道「リバーウオーク」を整備し、自然とにぎわいが見事に調和したまちづくりで、今では全米一の会議都市として年間1,400 万人の外来者でにぎわっている様子を目の当たりにして、視察に行った者皆感心してまいりました。
〔副議長退席、議長着席〕
松川に浮かんでいる「滝廉太郎号」みたいな船が50艘、ほとんど毎日満席に近い状態で動いておりました。ただ、川の水は松川から見ると随分汚れていて、毎朝早く清掃船で清掃しておりました。料理も大したことはありませんでした。
先ほど、テキサス州元知事のブッシュ大統領の好物はメキシコ料理だと紹介しましたが、このテキサス州というのは、メキシコと隣接しているため、「アラモ砦の戦い」で知られているように、元のメキシコ領であったため、今でもメキシコとのつながりが非常に強く、メキシコ料理がよく出てきます。
私たちは川べりのレストランで、何が書いてあるかよくわからないもので、適当にメニューを指さして料理を注文いたしましたが、どの料理も菜っぱとぱさぱさの米が入った、鶏のえさと同じようなもので、とても食えたものではありませんでした。ステーキはわらじぐらいの大きさで、メンバーの中で全部食べた人は1人だけで、あとの人はみんな半分ほど残しておりました。ただ柔らかくて、大変おいしい肉でした。小錦や曙のいとこみたい人がごろごろしていて、私たちの乗った遊覧船の船長さんもそんな人で、船が沈まないかと心配いたしました。
話は横道にそれましたが、なぜサンアントニオに年間1,400 万人もの人が集まるかということです。リバーウオークという、自然とにぎわいの調和した水辺の散歩道がホテルや会議場のすぐ近くにある、ただそれだけの理由であると思いました。私は3日間毎日、このリバーウオークを散策いたしましたが、名札を胸につけた会議の参加者と思われる人たちと多く出会いました。
アフターコンベンションという言葉があります。大きな会議を誘致するときには、会議に出席した人たちが会議の後散策できる場所を整備することが大切であるということであります。そうした意味で、まちづくりを考える多くの人たちに、このサンアントニオのリバーウオークを、実際自分の目で、体で体験してもらいたいものだと思いました。
富山市でも近年、全日空ホテルや国際会議場が整備され、以前より多くの県外客が富山を訪れていますが、富山国際会議場の入場者数は、平成11年度は7カ月で15万1,000 人、12年度は14万4,000 人、13年度は11万5,000 人、14年度は11万1,000 人であります。15年度は13年度、14年度よりは多く見込まれますが、いろんな補助、助成があるにもかかわらず伸び悩んでおります。
産業の振興や雇用の確保を図るためには、もっと多くの県外客を富山市や富山県に呼び込むことが必要であります。そのためには、このサンアントニオのリバーウオーク地域を参考にして、松川の水辺空間を核として、城址公園、ホテル、国際会議場などの施設と組み合わせた、自然とにぎわいが調和したまちづくりを富山市とも協力して進めるべきだと思いますがどうでしょうか、森岡土木部長の考えをお尋ねいたします。
先日、上海に行った折、アジアのベニスとして最近人気を集めている上海近郊の周荘に行ってきましたが、昔からの運河を生かした古い町並みが多くの観光客を集めていました。8人乗りの船にも乗ってきましたが、リンゴみたい赤いほっぺの素朴な顔の中年の女の人が船頭さんで、どこやらの町長さんが10元、日本円にして150 円チップを出しましたら、サービスで地元の歌を聞かせてくれました。水はよどんでいてきれいではありませんでしたが、水が近くにあるというだけで心が安らぐ思いがいたしました。水辺が人を呼んでいるのだと思いました。
先ほどアメリカ・サンアントニオのことも述べましたが、河川や運河などを活用した観光振興をもっと進めるべきだと思いますが、どのように取り組んでいかれるお考えなのか、室谷商工労働部長のお考えをお伺いいたします。
富山県民にとっては、河川は身近な水辺空間であり、県民が参加する河川愛護活動を促進することは、県民に地域の河川に愛着心を持ってもらう、そして親しんでもらうとともに、美しい水辺空間を創出することにもつながると思いますが、どのように取り組んでいくお考えなのか、土木部長にお伺いいたします。

◯土木部長(森岡秀悟君)
5問質問をいただいておりますので、順次お答えをいたしたいと思います。
まず、自然と調和したまちづくりについてのうち、松川周辺のまちづくりに関する御質問にお答えをいたします。
県都富山市におきましては、中心市街地に位置する松川、いたち川及び富岩運河の貴重な水辺空間を、魅力あるまちづくりに有効に活用していくことが重要であると考えております。
このため、これまで県では、富山市とも連携しながら、この水辺空間を安全、快適に利用していただけるよう、親水護岸や川沿いの遊歩道などの整備、周辺地域の歴史や見どころを載せましたカナル・リバー周遊マップの作成などに積極的に取り組んできたところでございます。
議員御提案の、松川の水辺空間を核として、城址公園、ホテル、国際会議場などの施設と組み合わせた、自然とにぎわいが調和したまちづくりについては大変重要なことと考えており、サンアントニオ市の水辺を生かした取り組みは参考にすべき点も多いというふうに考えておりますが、一方で、松川及びいたち川は、現状におきましてサンアントニオ市とは異なり、洪水時には水位が上昇し浸水するおそれがあること、また現在の松川は、御案内のように桜並木が良好な景観を呈しておりまして、緑豊かな水辺空間が形成されております。その土地利用のあり方をどうするかにつきましては、十分議論されることが必要であることなどを踏まえて検討していく必要があるというふうに思っております
いずれにいたしましても、まちづくりの観点からは、まず富山市が主体的に取り組んでいただくべきものと考えておりまして、その計画づくりなどの際には、県としても十分協力してまいりたいと考えております

 


2004.09.21 : 平成16年9月予算特別委員会

渡辺委員
高岡市出身の吉田部長は、千保川にも大変詳しいと思います。また私も、8月は千保川の上流から下流まてすべて見てまいってきたわけでございます。そういう面で、一部整備をされているところもございますが、全く手つかずのところもあるわけでございます。やはり川というものも非常に大切な観光の資源になると思いますし、市民の憩いの場にも癒しの場にもなると私は思っております。どうか整備のほうも、今後ともよろしくお願いをいたしたいと思います。
それでは次の質問ですが、今ほど全国の事例や今ほど高岡市の事例も挙げましたが、観光やまちづくりに河川というものを考えたとき、富山県だけでもたくさんの河川がまちの中を流れているわけです。いろいろな水辺空間があるわけです。観光等に利用、そしてにぎわいを創出するには、長期計画も必要なわけでして、整備に向けて大変な調査作業が必要なわけであります。よって、本格的な調査研究が私は必要であると考えますが、吉田土木部長に、今後の取り組み、考え方を伺いたいと思います。

吉田土木部長
お答えいたします。
河川の水辺空間を観光等に活用してにぎわいを創出していくためには、それぞれの地域に応じた特色のある河川環境の整備を進めていくということは大変意義のあることだというふうに思っております。
このため、県内の河川の整備に当たりまして、流域の現状、あるいは河川の利用実態等を踏まえた上で、その河川の空間の適正な保全と利用の基本方針となります河川環境管理基本計画を策定いたしまして、国、市町村とも連携しながら、河川環境の整備を進めてきているところでございます。
具体的には、富山市街地を流れる松川、いたち川では、身近な自然の中で散策ができる水辺の遊歩道の整備や観光船による遊覧が楽しめるような桜並木の整備、それから高岡市のおとぎの森公園内を流れる千保川や黒部市総合公園内を流れます高橋川では、それぞれ都市公園と一体となった親水空間の整備を行っております。また、小矢部市の宮島峡一の滝、二の滝等の景勝地を流れる子撫川では、豊かな自然を生かす自然石護岸等の多自然型川づくり、さらに伝統行事「精霊魂」のメイン会場の上市川では、水辺に親しめる低水護岸の整備など、県内各地で積極的に実施してきているところであります。
いずれにしましても、観光やにぎわいの創出など、まちづくりにつきましては市町村が主体となって取り組むものと考えておりますが、県としても、具体的に相談があれば、観光やまちづくりに役立てるよう、今後ともよりよい河川環境の整備に積極的に努めてまいりたいとういうふうに思っております。

 


2004.09.15 : 平成16年9月定例会 一般質問

◯17番(佐藤英逸君)
次に、松川などの水辺を生かした観光振興について、当初予算で30万円がついております。先日も松川茶屋で食事をしていると、平日の日中ですが、笹舟にお客さんが何人も乗られて楽しんでいるのを何回も見かけました。聞きますと、「今まで富山を素通りしていたが、ツーリストで観光パンフレットを見て遊覧船があるのを知り、ぜひ乗りたくて来た」とのことであります。いたち川の中流にあって街なか観光の観光スポットの目玉であり、県の名水百選にも選定されている石倉町泉橋の延命地蔵尊には多くの人が毎日名水をくみに来ています。9月5日にも、いたち川グルメツアーと名づけて、街なか観光の一環として、まちづくりとやまが街なか歩こう会を行ったところであります。点から線へ、そして面へと広がりつつあります。
そこでお聞きします。
いたち川の改修計画で川底を下げることにより、松川との合流点からいたち川上流方向に船で上がることが可能になるとのことですが、いたち川の改修の見通しはどうなっていますか。また、松川のように船を観光資源として活用できないか、土木部長そして商工労働部長にお聞きします。

◯土木部長(吉田弥一郎君)
次に、観光振興についてのうち、いたち川の改修により松川との合流点から上流方向に船で上がることが可能になるとのことだが、いたち川の改修の見通しはどうかの御質問にお答えをいたします。
一級河川いたち川の整備状況としては、計画延長8.3キロメートルのうち、神通川合流点から県道富山立山魚津線のいたち川橋までの6.8キロメートルの護岸が概成したことから、流下能力の確保のため、下流から順次河床の掘削工事を進め、赤江川合流点まで終えたところであります
松川との合流点部につきましては、河床掘削工事を行いますと、それに伴って松川の水位が約30センチ下がり、すぐれた水辺景観が損なわれることが懸念されますし、観光遊覧船の安全運航にも支障を来すおそれがあるということでございまして、このことから松川の水位を確保するため、松川合流点の下流に新たに可動堰を計画しております。このことについて、現在国や遊覧船の運航会社などと協議しているところでございます。
県としましては、一日も早くいたち川流域の治水安全度の向上を図ることが必要と考えておりまして、この可動堰も含め、富山地方鉄道不二越上滝線下流までの河川改修工事を平成18年度末までに完了させたいというふうに考えております。
なお、この可動堰を設置した場合の副次的な効果として、いたち川が松川合流点から上流約200メートルの区間で水深が若干深くなり、流速が遅くなることから、遊覧船の運航範囲が広がる可能性があるものと考えております。

◯商工労働部長(室谷智明君)
最後は、いたち川も松川のように船を観光資源として活用できないかとの御質問にお答えいたします。
現在松川におきましては、富山観光遊覧船株式会社が、桜の開花が間近な3月下旬から紅葉の色鮮やかな11月中旬までの土日、祝日、ゴールデンウイークなどにおきまして、塩倉橋を発着地としまして、舟橋からいたち川と松川の合流地点までの約1.2キロにわたりまして観光遊覧船を運航しております。
具体的には、笹舟や屋形船によります約30分のお花見遊覧川下り、また屋形船や滝廉太郎II世号によります約90分のお花見宴会船や貸し切りクルーズが運航されております。平成15年の県内外からの観光客は約7,600人というデータが出ておりまして、遊覧船観光を楽しんでいただいておるところであります。
今回の河川改修によりまして、笹舟と屋形船は、いたち川と松川の合流地点からいたち川の上流約200メートルの小島橋上流付近まで、また滝廉太郎II世号は、同合流地点からいたち川の上流約100メートルの小島橋下流付近までにわたりまして、運航が可能となるものと聞いております。
このようにいたち川での運航が可能となれば、今木橋付近の桜並木、四季折々の花々、それから水辺におります水鳥などいろいろな景観が楽しめることに加えまして、付近のかまぼこ店、それから先ほどお話しありました石倉町の延命地蔵の湧水など観光資源との連携によりまして、周遊性のあるコースの設定も可能となると考えております。遊覧船の魅力がさらに向上するものと考えておりまして、株式会社まちづくりとやまが中心となって取り組んでおられる街なか観光の振興も図られると考えております。
現在、いたち川につきましては、本年4月に住民有志によりますいたち川を育てる会が結成されておりますし、また、株式会社まちづくりとやまが先月いたち川名水・グルメツアーを開催されるなど、その魅力アップにも取り組まれております。
このような河川や水辺空間を活用した観光の振興につきましては、県といたしましても富山市などとともに連携して支援してまいりたいと考えております。

 


2006.09.19 : 平成18年9月定例会 一般質問

◯17番(佐藤英逸君)
質問の第2点は、水辺を生かした街づくり・夢プランについてであります。
今年度、わずか250万円ながら、水辺に着目した街づくりプランの調査費がつきました。ことしはそれを意識して、私も自民党議員会環境福祉部会にオブザーバー参加をさせていただきまして、韓国のソウル、そして所管の建設企業常任委員会で、国内は北九州市の紫川などの視察に参加しました。
まず、韓国のソウルは、都心を流れる清渓川の清流を取り戻したドラスチックな話。全く驚くような話ですが、都心の流れを5.84キロにわたって、高架道路に使うため川にふたをした。ところが、臭くなってかなわないことや多額な修繕費がかかることなど、市長選挙で、ふたをこっぱぐって清流を取り戻すことを公約した人が市長に当選して、5年かけて清流を取り戻してしまった。昨年の10月1日のことであります。工事の経過がよくわかる清渓川文化会館も川沿いにあり、日本人の宣教師が活躍した歴史のコーナーがつくられていて、感動しました。清流がよみがえった遊歩道は、車の騒音がじゃましないように5メートルほど切り下げてあるわけですが、いっぱいの人だかりでにぎわい、地方の人はもちろん、全世界の観光客の人気スポットになっているとのことでした。
ところで、昭和35年から始まったいわゆる日本の高度成長は、昭和40年代までは、日本社会を嵐の渦に巻き込んだハリケーンのようなものでした。笹津線、射水線が廃線になったのが昭和50年、55年ごろ。松川を暗渠にして駐車場にしたらとか、富岩運河の一部を埋め立てて都市計画道路にしたらどうかという議論が真剣にされたときもありました。一方、松川浄化用水導入施設の工事が始まったのが昭和57年からで、完成が昭和59年ですから、22年前のことです。そして3年後の昭和62年、今から19年前、松川で遊覧船の運航が始まりました。
時代は、河川に治水と同時に、景観、うるおい、にぎわいの4面の役割をも求めつつあることは、サンアントニオ、清渓川、北九州市の中心を流れる紫川の例を見ても明らかです。富山市は、城址公園の整備計画に着手していますが、水をめぐらせています。
そこでお聞きします。
第1の質問は、城址公園-松川・いたち川-牛島閘門-環水公園-ライトレールの終点東岩瀬町とつながるよう物語をつづり、水辺を生かした街づくり・夢プランをつくるべきだと思いますが、知事にお尋ねいたします。
また、その際、洪水対策を前提に、サンアントニオや清渓川の成功例を参考に、地上から水辺を切り下げ、涼しさ、静けさで別世界をつくり上げれば、都心に人々を呼び込む観光スポットになると思うが、土木部長にお尋ねいたします。
神通川の廃川地が富山県の都心を形成し、松川は河川再生のシンボルとして少しずつ整備されてきましたが、全体計画がはっきりしないように感じています。
そこで第3点は、松川、いたち川について、貴重な都市部の水辺空間としてさらに整備する必要があると思いますが、土木部長の御見解をお聞きします。
最近出版された「日本人が造った水とふれあう情緒的空間『日本の水郷・水都』」というタイトルの本の中に、茨城県の潮来や大阪の道頓堀と並んで、17都市に我が富山の松川が選ばれており、表紙にカラー写真まで掲載されています。
そこで、4点目にお聞きしますが、環水公園の見晴らしの丘の下あたりから天門橋方面を見た眺望が大変すばらしいと思いますが、レストランなど民間活力を導入すべきだと思うがどうか。また、ファミリー向けに、見晴らしの丘などに景観にマッチした木製遊具を設置したらどうかと思いますが、土木部長にお聞きします。
5点目は、新幹線駅を挟んで、都心に松川、いたち川、環水公園、水面・水辺を持った都市はないと思います。そこで、新幹線開業をにらんで、水面・水辺を富山市や運河のまちを愛する会、商工会議所、夢の神通回廊協議会などと早急に協議すべきだと思いますが、土木部長にお尋ねいたします。

◯知事(石井隆一君)
それから次に、水辺を生かした街づくり・夢プランについての御質問にお答えをいたします。
富山県の歴史を語ります上で、水は重要な位置を占めるものでありまして、県内には5大河川、またお話に出ました松川、内川などの都市河川、また歴史のある富岩運河など、全国に誇れるすぐれた水辺空間が数多くあると思っております。
御質問の城址公園周辺の松川・いたち川から富岩運河環水公園を経由して東岩瀬に至る水辺空間につきましても、県としてはこれまでも、松川、いたち川の河川環境整備、また歴史ある富岩運河を生かした公園運河の整備などを積極的に進めてまいりました。また、こうした魅力的な水辺空間を生かしたまちづくりを進めますことは、県民の皆さんのまちづくりへの関心を高める。また、市街地の活性化、にぎわいの創出に大いに寄与すると思いますし、「水の王国とやま」の魅力を全国にアピールすることにつながると思います。
そこで、今年度当初予算で新たに、水辺のまち夢プラン推進事業というものを推進することにしておりまして、行政と県民の協働による水辺を生かしたまちづくりを進めることができますように──さっきもいろんな先進事例のお話がありましたけれども、県民の皆さんの御提案、また専門家のアドバイスをもとに、水辺の空間を生かしたまちづくりの取り組み指針となる計画案を検討、策定することにしております
特に環水公園につきましては、平成26年度末までに予定されております北陸新幹線の開業も見据えまして、駅周辺の魅力向上の一環として、富山の駅北地区、また富岩運河と一体的なにぎわいの空間として活用するための方策を検討します環水公園等にぎわいづくり会議というものを──まだ仮称ですけれども、設置することにしておりまして、その所要額を盛り込んだ補正予算を今議会に提案しているわけであります。
お話しのように、いろいろ御活動されてます、例えば運河のまちを愛する会とか、いろんな団体もございます。もちろん地元富山市もあるわけでありまして、御提案の環水公園や松川を初めとする県内の魅力ある水辺空間──この間、射水の内川にも私行ってまいりましたが、本当にすばらしい水辺空間がたくさんあるわけで、中心市街地の活性化やにぎわいの創出などにこうしたものが大きく寄与できると思いますので、県としても、市町村や関係団体と連携協力しながら積極的に取り組んでまいりたいと思います。

◯土木部長(埴生雅章君)
水辺を生かした街づくり・夢プランにつきまして、4点御質問をいただきましたので、お答えをいたします。
まず、水辺を生かした街づくり・夢プランをつくる際、地上から水辺を切り下げれば、人々を呼び込む観光スポットになると思うがどうかという御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、富山市内におきましても、松川、いたち川や富岩運河環水公園などすばらしい水辺空間があり、県といたしましては、これまでも河川、公園、運河などの整備を行ってきております。
先ほど知事から答弁がありましたように、今後はそれらを生かしてまちづくりを進め、市街地の活性化やにぎわいを創出することが重要であると考えております。そのためには、民間活力を生かしながら、これらの水辺空間をより魅力ある人々が集い、楽しめる場所としていくことが求められており、行政のみならず、民間や関係団体の方々とも幅広く連携協力しながら取り組んでいきたいと考えております。
議員御提案の、人々を呼び込む観光スポットとするため、洪水対策を前提に水辺を切り下げればどうかということにつきましては、十分研究しなければいけないというふうに思いますが、切り下げることの目的、あるいは効果の明確化、それから治水上の問題の解決、具体の場所選びなど、いろいろな難しい問題もございますので、やはり息長く取り組みまして、十分慎重に考えていくことが必要であろうと考えております。
それから次に、松川、いたち川について、貴重な都市部の水辺空間としてさらに整備する必要があると思うが、どう取り組むのかとの御質問でございます。
松川、いたち川は、富山市中心市街地を流れる、自然とふれあえる都市内の貴重な親水空間として、広く県民に親しまれている川であります。特に花見のシーズンには、沿川の桜並木が川面を覆うばかりに見事に花を咲かせ、県内外から多くの観光客が訪れております。また、沿川住民によって河川の清掃、草刈り、草花の植栽などの愛護活動も積極的に行われているところであります。
このように、県民に愛され、親しまれている河川であることから、県では、これまで環境に配慮した護岸、桜並木など緑豊かな川沿いの遊歩道、それから水辺の利用や景観を考慮いたしました水辺の公園、魚や動植物の生息、生育環境に配慮した落差工、いわゆるどんどこや護岸などの整備を進めてきたところでありまして、景観や環境面でかなりの水準に達しているものと考えております。
今後は、このような都市内の貴重な水辺空間がより一層利用、活用されていくことが望ましいと考えております。地元、市や民間、NPOなど、幅広い人々の参画をもとに取り組んでいただきたいと考えております。また、県といたしましても、そのような利活用に向けまして、さらに取り組むべきものがあれば、関係者の御意見も十分お聞きいたしまして対応してまいりたいと考えておるところでございます。
それから、レストランなどの民間活力の導入の問題、それから木製遊具の設置の御提案についての問いにお答えをいたします。
富岩運河環水公園は、人々に潤いと安らぎを与える富山駅北地区のオアシスとして、現在、小運河や人工島などを整備しておりまして、ことしの8月には、このうちバードサンクチュアリー──野鳥の聖域でございますが、その部分を開園したところであります。
先ほど知事から申し上げました環水公園等にぎわいづくり会議では、ハード整備が進んできた環水公園を中心とした空間を、県民にとりましてより活用しやすく、魅力あるものとするために、関係機関、経済団体、地域団体などに参画いただきまして、幅広い方策について検討してまいりたいと考えております。
御提案のありましたレストランなどの民間活力の導入につきましては、環水公園などの新しい魅力として、にぎわいを創出する上で重要な役割を果たすものでありまして、具体的にどのような方法で導入するのが望ましいのか、今後十分検討していくことといたしております。
また、見晴らしの丘は、富岩運河の水面と駅北地区の新しい町並みの向こうに立山連峰が眺望できる場所として整備を進めているものでありますけれども、遊具の設置の御提案につきましては、今後その整備内容を詰めていく中で、県民の皆さんやにぎわいづくり会議などの御意見もお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
それから最後に、新幹線開業をにらんで、富山市や運河のまちを愛する会などいろいろな団体と早急に協議をすべきと思うがどうかという御質問でございます。
議員御指摘のとおり、新幹線開業時の来訪者に、本県のすぐれた水辺空間やそれを生かしたまちを楽しんでもらうためにも、水辺のまち夢プランなど水辺を生かしたまちづくりを進めていくことは極めて重要であります。
そのためには、先ほどから申し上げておりますように、民間の方々の活力を生かしながら、魅力ある空間を形成していくことが重要でありまして、行政のみならず、経済界や地域の皆さんとも幅広く連携協力しながら取り組んでまいりたいと考えておりまして、今後、関係の団体の御意見等も十分聞いてまいりたいと考えております。

◯17番(佐藤英逸君)
再質問させていただきます。
知事には、早速、有峰森林文化村、現地を見ていただきまして本当にありがとうございました。それに、大変すばらしい答弁をいただいたんですけども、水辺を生かしたまちづくりについては大分トーンが落ちたような状態でないかと。これはすぐどうこうというわけじゃないんですけれども、やっぱり本物を目指さなきゃならないんじゃないかなというふうに思います。
サンアントニオだとか清渓川を見た人は、みんなそのファンになって取りつかれて、やっぱりできるものなら、こういうまちづくりをしたい。単なる水辺とか切り下げるとか、そういう小手先のことを聞いておりますけれども、そうでなくて、根本的なまちづくり、中心市街地の活性化──きょうも自民党の勉強会でやりましたけども、コンパクトシティ、街の中心に人がにぎわう、集まる、活性化するということが私の願っているところであります。
知事からも、先進市を参考にということをお答えいただきましたので、ちょっと悪乗りしたかもわかりませんが、サンアントニオは大変遠いんで大変でしょうけども、できたら見ていただければいいんですけども、韓国のロッテ観光だとか、いろんなルートがあります。そういう意味で、清渓川はもう一足で行けますので、ぜひ先進市を見ていただく機会をつくっていただける気があるかどうか、知事にお答えいただきたいと思います。

◯知事(石井隆一君)
ソウルの清渓川、ソウルの真ん中にこの間できたものですね。あれはこの間、私7月に行って、もちろんちゃんと歩いて見てまいりました。サンアントニオはまだ見てませんが、さっき北九州市の紫川という話がありましたが、私は北九州市に行っておりましたことがありまして、紫川は随分私も、財政局長という立場でありましたが、一生懸命やったわけでありまして……。
今佐藤議員がおっしゃった思いはしっかり受けとめて、いろいろ難しい点もありますけども、何とかにぎわいが、特に県の北部──環水公園も、厳しい財政環境の中で県は120億円もかけてつくったわけですから、これがちゃんと都市づくりに生きるように、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

 


2007.03.07 : 平成19年2月予算特別委員会

佐藤委員
ただいまの環水公園等賑わいづくり会議と新たに設置される水辺のまち夢プラン策定に当たっての協議会は、どのように役割分担をし、どのような連携協力を図って水辺を生かしたまちづくりを推進していくのか、知事にお聞きしたいと思います。

石井知事
 水辺のまち夢プランにおきましては、水に恵まれた富山県の特色を生かすために、魅力を秘めたこの水辺の資源を有していて、かつ市町村や地域の方々の熱意があって、主体的に計画づくりに参画しようといったところをモデル地域として選んで、プランをつくって進めようと思っているわけであります。
県都富山市には、北陸新幹線が停車する新富山駅から歩いて数分のところに環水公園があり、また松川、いたち川など幾つものすばらしい水辺があります。こうした素材を生かしまして、県内はもちろんですけれども、北陸新幹線沿線の各県、首都圏、あるいは国の内外から訪れる方に水の王国とやまのよさを感じてもらえるような魅力ある空間づくりを目指して、19年度はこの地域をモデル地域の1つにしようと。もう1つは内川地域であります。
19年度は具体的なプランをつくっていきたいと思っているわけでありまして、そのために、県、市町村、NPO、地域住民といったようなまちづくりに具体的に参画していただける方々から構成する協議会をつくって検討することにしております。
このうち、御質問にありますように、環水公園では、県が賑わいづくり会議をもう既に設置しているわけですが、この会議では民間活力を生かしながら、今部長も申し上げました、レストランなどの新しい魅力ある施設の導入とか、またこの3月ごろに完成します小運河、人工島をめぐる船や、あるいはバードサンクチュアリにおける野鳥観察など楽しむ場の提供とか、また自遊館などの周辺地域とタイアップして、県民の皆さんの晴れの場、結婚式などを演出すると。そういうシンボル的な場所になるようなイベントなども盛り込みたい。また、皆さんからいろいろアイデアをいただいて、もうどんどんやっていこうと思っているわけであります。
一方、城址公園では、富山市さんのほうで再整備に取り組んでおられて、松川と一体となった都市内の貴重な水辺空間として整備をしたいということであります。
そこで、この水辺のまち夢プランでは、こうした環水公園の整備と城址公園の再整備などの成果をうまく生かしまして、これらの連携なり、一体化による相乗効果をねらう。例えばジョギングとか散策とか、あるいは船などの周遊ルートを検討する。そしてトータルとして、富山の水辺の魅力をアピールする。それから、幅広い県民の皆さん、観光客、あるいはビジネス客が多様な楽しみができる水辺空間、あるいは都市の親水空間になるようにしたい、こういうように考えているわけであります

佐藤委員
水の都とやまにふさわしいまちづくりという意味で、水辺を生かしたまちづくり、夢プランということに取り組まれるということはすばらしいことだというふうに思っております。
私も以前、新湊の内川を見たことがありますけれども、今までの生活を、船運を保存しながら景観対策に取り組まれている。大分前でしたから、あの時期にもう既にそういうことに着目されたというのはすばらしいことだというふうに思っております。
また、富山県で中心的に取り組んでいる松川、いたち川、環水公園、富岩運河は、それぞれ特徴があるというふうに思っております。環水公園は都市公園としてすばらしい景観というか、整った箱物、ハード面では大変すばらしいものを持っているというふうに思っておりますけれども、もう一方では、いたち川周辺は、きのうもわざわざ歩いてみましたら、日ごろ考えていなかったんですけれども、水辺を歩きながら上空を見ますと、こんなにたくさんマンションが建っておるのかとびっくりするくらいにマンションが建っております。リバーサイドホテルじゃないですけれども、リバーサイドのマンションというのも、そりゃいい、魅力があるということで、サンアントニオのようなつくった都市とは違いますけれども、やっぱりいたち川の周辺がそれだけすばらしい景観、魅力を持っている地域になってきているから、あれだけマンションがずっと林立しているんだなということを、歩いてみて改めて感じました。
片一方では、松川は、ごらんのとおり船運を生かして遊覧船を浮かべて、全国的にも本当に珍しいまちづくりに取り組んでおりまして、治水の対象であった川や水辺が、景観や潤いのある対象になってきておるということをつくづく感じられるわけでありまして、今の知事の答弁のとおり、本当にこういう事業を富山県の中心的な、大事な施策として、これからも発展させていただきたいというふうに思っております。
そこで、16年9月の議会で、松川といたち川の合流点に可動堰を設ければ、遊覧船の運航範囲が広がるとの答弁がありましたが、実際歩いてみて、先ほどのような感想を持ちましたし、しゅんせつをしていただければもっと行動範囲が、可能性の範囲が広がるということをつくづく感じた次第であります。
可動堰という計画だったと私は理解していたんですけれども、固定堰になっておりますけれども、それでも同じ効果がありまして、きのう歩いても、大きな石ころを取っていただければ、このときに答弁されていたのと同じように、200メーター先まで、さっき言いましたような生活感のあるすばらしいいたち川地域を遡上することができるというふうに思いまして、しかし、川の中をのぞいてみますと、やっぱり石があって船が上れないんじゃないかということを感じたわけであります。200メーターからもうちょっと行くと、石倉町の延命地蔵もあるということで、富山市のまちなか居住の観光スポットの大事な地域になっているところにも到達できるわけであります。
そういう意味で、この川底のしゅんせつをしていただくということがないと、運航できないんではないかというふうに思いますけれども、土木部長は実態をどのようにとらえておられますか

埴生土木部長
お答えいたします。
いたち川では、流下能力確保のため、下流から順次河床を掘削する河川改修を進めてきたところでございます。
委員御指摘の松川との合流点の堰でございますが、その後の検討によりまして固定堰となっておりますが、これはいたち川の改修工事に伴い、松川の水位も下がるということで、景観や遊覧船の運航に配慮しまして、従前の水位を確保するために設置をしたものでありまして、現在、その効果を発揮しております。
ただ、委員御指摘のとおり、現在、いたち川の松川合流点付近では一部に土砂の堆積、転石なども見られますことから、今後は治水上の安全確保のためにもしゅんせつ等を検討してまいりたいと考えております。

佐藤委員
中心市街地の重点事業の1つである富山城址公園整備事業も今進められておりますけれども、県としてどのように支援をしていかれるのか、お聞きします。

埴生土木部長
富山城址公園につきましては、先月、国の認定を受けた富山市中心市街地活性化基本計画におきまして、にぎわい拠点の創出を目指す事業として位置づけられておりまして、現在、市において石垣の修復や公園西側の園路などの再整備が進められているところであります。
この公園の東側の歴史文化ゾーンにつきましては、富山市において、城址公園歴史文化ゾーン検討委員会が設けられ、歴史文化ゾーンの全体コンセプトや薬の文化に関する施設のあり方などについて検討が進められているところでありまして、県からは私も委員として参加させていただいているところであります。
また、富山城址公園は松川と一体となった都市内の貴重な水辺空間としての整備が考えられておりますので、県としては、これから計画の策定を進めることといたしております水辺のまち夢プランにおきまして、市街地中心部の重要な水辺として位置づけまして、富山市とも十分連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。


2012.12.07 : 平成24年11月予算特別委員会

杉本委員
高志の国文学館の中に、日本で一番予約の取りにくい落合シェフのレストランがあります。大変な人気で高志の国文学館への客寄せパンダみたいな存在になっています。一度このレストランで食事をしてみたいと思っていますが、残念ながらまだ行っていません。近いうちに奥野議員か火爪議員か井加田議員と一緒に行けたらいいなと思います。火爪さんお願いいたします。(「はい」と呼ぶ者あり)
高志の国文学館は、松川に隣接しておりますが、高志の国文学館の南側にある松川の親水性の高い護岸を活用して、松川遊覧船で乗りおりできるよう整備してはどうでしょうか。
第一ホテルやANAクラウンプラザに宿泊した観光客が、松川茶屋から遊覧船に乗って高志の国文学館へ行き、帰りは松川べりの遊歩道を散策してもらうこともおもしろいと思いますが、どうでしょうか、土木部長の考えをお伺いいたします。

柴田土木部長
昭和63年度から営業を開始しております松川遊覧船は、富山観光遊覧船株式会社が、現在、3月から11月までの土日・祝日などにおきまして、県民会館横の塩倉橋橋詰めのほうから船着き場を発着いたしまして、舟橋といたち川との合流点の間の約1.2キロメートルを往復しているものであります。
委員の御提案の遊覧船を高志の国文学館前の親水広場まで運航する場合には、運航区間を舟橋から上流に約140メートル延伸することになりますが、当該区間の水深が現在約40センチメートルであり、遊覧船が運航するのに必要な水深が約80センチメートルということになりますので、川底を掘り下げる必要があります。
しかしながら、この川底を掘り下げるには、既設護岸の根入れを深くするための工事が必要となり、掘削に伴いまして、市民の憩いの場となっております松川沿いの桜が枯れる懸念があること、また松川の地下を横断しております富山市の下水道管渠──これは昭和37年に設置されました管渠で、松川の南側のほうの約96ヘクタールの雨水と汚水を合流式で送水している管渠でございまして──この管渠と川底との間隔が、ほとんどなくなるということになりますので、管の布設がえや構造補強も含め、安全性を確保する必要があることなどの課題があります。
このほかにも、生態系に配慮しました親水広場のほうの既設護岸を、遊覧船が接岸するために改修するとか、あるいは定期的なしゅんせつが必要となることなど、遊覧船が運航できるように整備するには、幾つかの課題があり、なかなか難しい面もありますが、富山市など関係者の御意見もお聞きしながら研究してまいりたいと考えております

 


2014.06.25 : 平成26年6月予算特別委員会

浅岡委員
次に、中心市街地の活性化に関した地元の課題について、幾つか質問させていただきます。
近年、富山に来県する国内外からの観光客が増加している中、魅力ある富山市の中心市街地における観光スポットとしての松川といたち川の河川整備の充実が問題提起されて久しくなりますが、直近では2012年12月の予算特別委員会にて、杉本委員が高志の国文学館までの松川のしゅんせつと観光遊覧船の運航延伸に関して質問されまして、当時の柴田土木部長が、富山市及び関係者と協議し研究すると答弁されております。
その以前は、2004年9月定例会一般質問にて、松川など観光振興に関していたち川の改修計画と、松川、いたち川との合流点付近──合流点付近というのは、配付資料の2)の図のA)の部分でございます。
今ここは現在固定で堰化されていますが、ここの可動堰化による観光遊覧船の運航範囲の拡大についての質問がありまして、当時の吉田土木部長が、松川の水位を確保するために、新たに可動堰を計画し、国と遊覧船運航会社などと協議しているとしておられます。
そして、可動堰を設置した場合には、遊覧船の運航範囲が広がる可能性があると答弁されております。
そこで、現在、松川を運航している観光遊覧船は舟橋から──舟橋というのは、この図の右側のところです。それから、松川といたち川の合流点、A)地点です──までの間で運航しておりますが、運航範囲を環水公園──環水公園というのは、この左側の取水堰1)のところのこのあたりに牛島閘門というところがあるんですが、ここのところです。環水公園まで延伸するためには、河川整備の点でどのような課題があるのか、林土木部長の御所見を伺います

林土木部長
いたち川における富岩運河環水公園から松川の合流点までの区間につきましては、親水護岸や河床掘削などの整備がほぼ概成しておりますが、いたち川の河床掘削に伴い、松川の水位が低下することから、景観や遊覧船の運航に配慮をしまして、松川の従前の水位を確保するために、今ほど委員が御指摘のように、いたち川と松川の合流点付近に固定式の堰を暫定的に設置しているところでございます。
その区間で遊覧船を運航するには、水深を確保することや、流れに逆らって船が進行できるほど流れが緩やかなこと、また途中に堰などの落差がないことが必要であります。
これらの条件に対応する案としましては、まずは松川で約2メートル、いたち川で約1メートル、河床を掘削する方法が考えられますが、護岸や橋梁の基礎部への根継ぎが必要なことや、水位も1メートルから2メートル低下することから、景観に支障が生じるといった課題があります。
また、別の方策としましては、下流にある牛島閘門横の可動式の堰を高くしまして、いたち川の水位を約2メートル上昇させ、現在の松川とほぼ同じ水位とする方法も考えられますが、完成しているいたち川の親水護岸の遊歩道が水没することや、可動堰が開くのに時間を要するため、ゲリラ豪雨等により急激な水位上昇が生じた場合、いたち川が氾濫するおそれがあるなどの課題があります
このような課題があることから、遊覧船の富岩運河環水公園までの運航区間の延伸につきましては、これまでもいろいろと検討してきたところでありますが、いたち川及び松川の水位対策や景観にも配慮しながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。

 


2014.09.22 : 平成26年9月予算特別委員会

五十嵐委員
美術館のオープンが平成28年度の後半ですから、今からでも十分整備が間に合うのかと思っておりまして、しっかり関係者と協議いただきながら進めていただきたいというふうに思っております。
ちょっと質問通告が多くて、時間がないようでありますので、次に聞く予定の牛島閘門については質問を取りやめさせていただきます。
ただ、牛島閘門は環水公園の中にある国の重要文化財でありますが、どういうわけか、年に数回しか使われておりません。いたち川からラフティングで来て通過するという年に数回の利用だけであります。
 そのために、利用規定がないとか、料金も全額受益者負担というような形のことになっておりまして、そういったことも、これから利用促進を図る意味で、見直しをお願いしておきたいというふうに思っております。
次に、中島閘門周辺のことについて1点お尋ねしたいと思います。
7月に富岩水上ラインで、ガイドボランティアをしている皆さんと一緒に、愛知県にある船頭平閘門に視察に行ってまいりました。
長良川の河口から12キロメートル上流にある船頭平閘門は、あまり知られておりませんが、やはり国の登録有形文化財であります。明治10年から近代砂防の祖と言われるオランダ人技師、ヨハネス・デ・レーケが木曽三川改修工事を実施しました。それぞれの川に堤防をつくって、分流、独立させたわけであります。
このことによって、木曽三川は河口まで行かなければ、隣の川へ移動できないデメリットが生じました。そんな不便さを解消するために、考案されたのが船頭平閘門であります。
中島閘門は上下に移動するための閘門ですが、船頭平閘門は木曽川と長良川を横に移動する同じパナマ方式の閘門でもあります。
この閘門管理所の2階には、デ・レーケの資料を初め、木曽三川に関する図書が所蔵されておりますし、また船頭平閘門のシステムを大変わかりやすく紹介するジオラマも展示されております。
富岩運河、中島閘門は、昭和初期において現在の富山市街地形成化を担った土木遺産でもあり、この建設の物語は明治34年の神通川の馳越し工事に端を発しております。
富岩運河をつくることによって、現在の富山市の市街地が形成され、富山の近代化が進んだというふうに思っておりますし、この歴史をしっかりと後世に残していかなければなりません。
そういった中で、平成15年に元の土木部長であった白井さんが委員長を務められた検討委員会で、この中島閘門の活用と同時に、資料館を建設して、歴史をしっかりと伝えなければいけないということも指摘されております。
そういった中で、隣接する大変広い県有地もあるわけでありますが、そこにそういった資料館を検討する、すぐにとは言いませんが、そろそろ将来的に向かって検討を始めたらどうかというふうに思っているわけでありますが、知事の所見を求めたいと思います。

石井知事
富岩運河や、またパナマ運河方式の中島閘門の歴史的、文化的意義はなかなかあると思いますので、その普及を図るために、富岩運河環水公園にある天門橋に富岩運河の説明パネルを掲示しましたり、また中島閘門付近に音声つきの解説板を設置しておりますほか、平成22年には老朽化していた中島閘門操作室を文化庁の助成を得て復原しまして、その室内に中島閘門の歴史等を紹介したパネルを掲示しております。
これは数年前に皇太子にもおいでいただいて御説明しましたら、非常に興味深く見ておられました。
そういう意味では、先ほどおっしゃった中島閘門資料館について、以前にまとめられた水辺の町夢プランなどにおきまして、歴史的資産を生かした魅力づくりの拠点施設として整備してはどうかという提案については、現状でも一定の対応をしている面もあるんですけれども、いずれにしても運河を初めとした富山のまちづくりを学ぶ場としての意義は確かにあると思います。
ただ、お話のような資料館を改めてつくるとなりますと、その実現のためにどんな展示すべき資料があるか、またうまく確保できるか、検討すべき項目も多いと思います。
また、中島閘門隣接の県有地は当面、富岩運河のダイオキシン類対策のしゅんせつ土砂の仮置き場としても、当分の間、使うということになっていることもございます。
そこで、御提案につきましては、もし仮に資料館ということになりますと、それにふさわしいどういう資料が収集可能かとか、これから十分勉強させていただきまして、今後その意義や必要性などもあわせまして、中長期の課題としてしっかり取り組んでまいります。

五十嵐委員
中長期の課題は結構なんですが、やはり資料というのはどこへ行くかわからなくなってしまうという点もありますから、必要な書類とか、そういった関係の書籍等はやはり少しずつ集めておくことが重要かということを要望しておきます。
そこで、この中島閘門の脇にある大変広大な県有地とともに、富山市の北部地区にもう1カ所、県有地で未利用のところがございます。蓮町地内に3万5,000平方メートルの土地があるわけであります。
この土地は、昭和62年に策定された「伏木富山港ポートルネッサンス21」の中で、県民が水に親しむレクリエーション空間、文化施設を整備することを目的に先行取得されたものであります。
現在、周辺は大変すばらしい住宅地になっておりますし、学校施設、ショッピング施設、岩瀬スポーツ公園、さらにはライトレールの蓮町駅、JR東富山駅などに大変近いところにある恵まれた場所であろうというふうに思っております。
包括外部監査でも、このまま放置しておくのはよくないと、地元の皆さんにとっても大変問題であるので、早々に解決すべき問題であると指摘されております。
このようなことから、県ではこれまでも売却のための入札を行ってきておりますが、これまで処分に至っていないのが現実であります。予定価格が高過ぎるため業者は買わない。また、売却の障害となっていると思われる一つに、一戸建ての住宅用地として開発することの条件がついております。条件緩和、そして価格の見直し、一日も早くこれを実施して、売却すべきと考えますが、そして地域住民の要望に応えるべきと考えますが、土木部長の所見を求めます。


2018.03.14:平成30年2月予算特別委員会

中川委員
次に、話が変わりますが、まちなか県有施設の整備についてお伺いしたいと思います。
富山市は、県都富山市ということで、富山駅北側が環水公園とか富山県美術館とかいろんなものが整備されて、大変人気な施設も含めてきれいな環境になってきたわけであります。
その一方、今県庁がある駅の南も、いろんな面で駅を中心にして整備中でありますけれども、やっぱり富山県、県都富山市は立山連峰に囲まれた、そして自然豊かな、そしてまた清楚でにぎわいのある環境を整備していくというのがコンセプトではないのかなと思います。
そうした中で、やっぱり駅をおりてきれいだなと、あるいはリラックスして過ごせる、あるいは歩いていけるまちだなと、そういうまちづくりをしている、特に、公園の中にまちがあるというつくり方を今しているわけであります。
そういう観点から、今、県では、防災・危機管理センター、仮称でございますが、整備するための今、予算計上がされているわけです。私は、今、南別館の一部を取り壊してやるという構想らしいのでありますが、今NHKの放送会館が県の敷地になるということでありますので、そういったことも含めて県庁周辺をもう一回デザインをし直す必要があるのではないかなと思っています。
例えば今、県庁の建てかえというのは構想にあるのかわかりませんが、将来はやはり県庁の建てかえということも視野に入れておく必要があるのではないかなと思います。
例えば今、南別館や東別館を取り壊して新しい新庁舎をつくるとか、あるいは、南別館を全部壊してしまうとか、いろんなことがあると思いますし、それからまた、今、県庁前の公園がありますが、そのあたりも非常に重要な場所でありまして、今NHKの放送会館が取り壊されると、城址大通りからあの一帯が全部見えると、大変いい場所になるのではないのかなと思います。
そうしたことや、思い切って県庁前公園の活用を、そこに新しい県庁舎を建てるとか、あくまでも県庁舎をこの周辺に置くということを前提にすれば、いいのではないのかなと思います。
そして、今現在使われている県の庁舎も大変立派な施設で、登録有形文化財にもなっているわけでございますので、そういうところを、例えばコンベンションに使う、あるいは、何か美術館にする、いろんな会議室に使うなど、そういう面では非常に私は有効な場所だと思います。
何よりも、今ここにそういう防災・危機管理センターなどのようなものをつくると、駐車場の問題も加わるわけであります。やはり、ここは地下に駐車場をつくる構想なども含めて考えないと、なかなか駐車場不足などの対応をし切れないのではないかと思います。
ですから、今現在、県庁の大ホールを使って、緊急用に備えて災害対策本部を1時間ぐらいかけてつくれるようになっていますので、そういうことが本当に我慢できないのかどうかも含めて、そしてまた、県庁周辺というものをどういうふうにしていけばいいのかということをよく見て、そして、どこにものをつくればいいかということを、ぜひそういう目でもって考えていただきたいのであり、知事には視野を幅広く持った構想を練った上で計画を進めるべきではないかと思うのでありますが、知事の所見を伺っておきたいと思います。

石井知事 防災・危機管理センター(仮称)につきましては、昨今のゲリラ豪雨とか豪雪などの自然災害が頻発しておりますこと、もう一つは、北朝鮮による弾道ミサイル等への対応ですとか、危機管理事案が増加しております中で、県として早期に防災・危機管理機能を強化する必要があること。加えまして、財源の問題で、交付税措置のある緊急防災・減災事業債が、実は平成28年度で廃止されることになっていたのですが、富山県初め全国知事会として強くお願いして、平成32年度まで伸ばしてもらった時限措置であります。これで防災・危機管理センターをつくると起債が100%充たって、交付税措置率が7割ということになっているものですから、何とか間に合わせさせていただきたいと。
ちなみに、仮に南別館と東別館を全面的に取り壊して新庁舎を建設する場合は、他県の例などを勘案しますと、ざっと400億円から500億円、また、それを上回る多額の予算が必要となると見込まれる一方で、御承知のように、庁舎建設については有利な財源はありませんで、全額を県負担とせざるを得ないということを考えますと、ほかにも、例えば今回の議会でも全天候型のスポーツ文化施設を整備してはどうかとか、武道館も含めてなどいろんな課題もありますものですから、今後の県の財政状況等を考えますと、庁舎全体を全面的に建てかえるというのはなかなか難しいのではないかと思っております。
一方で、今、NHKの富山放送局放送会館の跡地敷地についてお話がありましたけれども、これにつきましては、昨年、庁内のワーキングチームをつくって検討を進めてまいりましたが、先月、まちなかの県有資産有効活用検討懇話会というのを開催いたしまして、委員からは今後の人口減少対策としてインバウンドが重要だから、外国人観光客をターゲットとした5つ星の高級ホテルの誘致が必要じゃないかという御意見、あるいは、周辺には駐車場が少ないので、オフィスと駐車場の複合施設がいいのではないか、また隣接地というのは、どちらかというと北側のことを考えておられるのかなと思いますが、あわせて総合的に活用を検討してはどうかなどの御意見もいただきました。
県都の中心部に位置するNHK敷地は、将来の富山県の発展に向けて大変重要な土地でございます。また、委員からも今いろんな御指摘がございました。
懇話会では、50年後、100年後を見据えて、子供、孫、将来の県民の皆さんにとって必要な施設を検討する必要があると思いますし、また、NHK敷地単体ではなくて、まちづくり全体、お話しのように、近隣には教育文化会館、森林水産会館などいろんなものもございますし、そういうものも念頭に置きながらまちづくり全体のことを考えて、その活用方策を確かに検討すべきかと思います。
県としましては、新年度も引き続き懇話会を開催して、将来を見据えた長期的な視点のもとに、また今、中川委員から御指摘のあった、幅広い観点から検討を進めてまいりたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

中川委員 私、県庁をすぐ建てかえろと、そういうことを言っているのではないので、将来のことを考えたときに、今の公共施設管理方針なども含めて60年、30年というものをやりながらやろうとしているわけなので、後になって、こういうふうにしておけばよかったなということでは困るよと言っているわけであります。
そういう中で、本当にその場所がいいのかどうかということを改めて検討してつくってもらいたいと、こういう趣旨でございますので、ぜひまた幅広い、視野の広い観点から計画を進めていただきたいと思います。
それから、昨年の決算特別委員会でも言っておったのですが、森林水産会館が今、耐震改修工事をやろうとされているわけでありますが、これも今の指針では、必要な施設というのは整備更新を行うか、あるいは縮小や廃止をして、そしてまた集約をするとか、そういう方針もあるわけであります。
そうした中で、今、耐用年数が来ている総合庁舎や諏訪川原の庁舎、あるいは教育文化会館、教育記念会館などあるわけです。そういうものが、かなりもう40年以上も過ぎてきているのに、そういうものを一つ一つ改修していっていいのかなと。そこに、やはりもう少し民間投資を思い切ってやってもらって集約をして、管理費が安くなるような、軽減されるような、そういうことを考えてみるべきじゃないのかなと。
今までも分散しているわけでありますので、果たして本当にまちづくりとしたら、こういう施設がそういうところへ分散していていいのかなと思うわけです。
そういうことも含めて、PPP方式や民間資本を生かした新たな庁舎や文化ホール、駐車場などの複合施設を建設すべきではないかと、考えてみたらどうなのかなということを再度申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。

石井知事 御指摘のとおり、今後、今のお話しいただいた、県営施設の老朽化が急速に進んでいくことになりますので、平成28年2月に公共施設等総合管理方針を策定しまして、施設の集約化や長寿命化などを進めることにしております。
また、お話のあったPPP/PFI手法の導入につきましても、昨年の4月にこうした手法の導入優先的検討規程というものを策定しまして、公共施設等の老朽化に伴う維持、更新による財政負担の増大が懸念される中で、財政負担の軽減や平準化、また、民間活力の導入を通じて効率的、効果的な公共施設の整備を進めたいと思っております。
御質問にもありました、森林水産会館、富山総合庁舎、諏訪川原庁舎、教育文化会館、いずれも四十数年から五十年ほどたっておりますから、今後、こうしたものについても、これらの方針等に基づいて検討していくことになりますけれども、今ほどもお話しました、先月設置した、まちなか県有資産有効活用検討懇話会におきまして、NHKの富山放送局放送会館敷地の利用方策とあわせまして必要に応じて、今後、幅広い観点から議論していただきたいと思っております。
県としましては、先ほど申し上げましたように、全天候型のスポーツ文化施設とかいろんな御要望もございますので、そういったものとの優先順位も考慮しながら、かつ、やはり県の財政の健全性ということも大事でありますから、委員から御指摘の点も含めて幅広く検討してまいります。

中川委員 とにかく、こういう時代には民間資本を大いに活用してやっていくということがやはり非常に大事じゃないかなと思っています。
今、富山県では、そういう施設はないわけなので、そういうものも先鞭として大いにやっていく必要があるのではないかなと思います。
何もこういう公共施設が県のものでなくちゃいけないという話はないわけでありますので、そのあたりも柔軟に考えれば、税の循環とか、経済の活性化を踏まえると、大いにそういうことを活用していくことが、今ほど私は大事な時期ではないかと思いますので、ぜひそのあたりも含めて検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。


令和元年6月定例会 一般質問 2019-06-19

◯17番(薮田栄治君)おはようございます。
県は現在、防災・危機管理における中核的な拠点施設として、富山県防災・危機管理センター(仮称)を県庁敷地内に計画中であります。昨年10月には基本計画が示され、来年度からいよいよ着工予定と聞いております。県民の命を守る司令塔として、ソフト、ハードともにしっかりと機能することが望まれるわけでありますけれども、富山県防災・危機管理センター(仮称)はどのような機能を持ち、どのような効果が期待されるのか。また、整備スケジュールと現在の進捗状況などについて、石井知事にお尋ねをいたします。

5: ◯知事(石井隆一君)
次に、防災・危機管理センター(仮称)についての薮田議員の御質問にお答えをいたします。
防災・危機管理センター(仮称)につきましては、地震や豪雨などのさまざまな危機管理事案に対して、いかに迅速、的確に対応するか。また、平常時には、地域防災力の向上のための施設として利用できるように必要な機能を整備するということで、昨年10月に策定しました基本計画を受けて基本設計を現在進めているところでございます。
現段階でのセンターの主な機能としては、1階から2階には展示、交流スペース、これは県民の皆さんの防災意識の高揚を図るための防災に関するパネル展などもできるようにするとか、また、災害時に使用しますプレスセンター、また3階から5階には、県の災害対策本部室や政府の現地災害対策本部室、防災関係者が活動する受援のためのスペースを配置する、これがまさに防災・危機管理の中核的機能を担うことになります。
また、平常時には、その一部を自主防災組織等の研修施設として活用したいと思っております。なお、6階から9階までは、県庁南別館の一部を解体して整備しますので、庁舎の執務室等として利用したいと考えております。
また、10階は備蓄倉庫や機械室、電気室等を配置できればと考えております。
さらに、屋上には県議会からも御要請ありましたが、ヘリポートを設置しまして、人的、物的支援のために、国や県外からヘリコプターで派遣される多くの広域応援部隊等を受け入れまして、迅速に被災状況の情報収集等を行いますとともに、集中豪雨、大型台風などによります水害時に県庁周辺が浸水いたしましても、住民等の救援、救助や支援物資の受け入れ拠点にしたいと考えております。
さらに、十分な耐震性と耐浸水性を備えて、電気等のライフラインを確実に確保する。非常用電源3日間以上と考えております。
また、災害時オペレーションシステムの導入などによりまして、大規模な災害時におきましても十分に機能する施設にしたいと考えております。
また、加えまして、景観とか周辺環境、県庁本館や富山城址公園などとの関係もございますし、また、県民会館側にエントランス広場を整備しまして、多くの市民、県民の皆さんの憩いの場、またミニイベントなどに活用できますように、松川側のにぎわい創出を図る。また、県産材、アルミ、和紙などを使い、富山を象徴する外観としますことや、また、女性の活躍や仕事と子育ての両立ということで、新たに北陸銀行及びJAグループと共同で設ける県庁内保育所を2階に整備するといったことで有効に活用したいと考えております。
議員お尋ねの今後の整備スケジュールですけれども、近々、基本設計を取りまとめました後、実施設計等に取りかかりまして、来年度からは建設工事を開始し、令和4年度中に供用開始したいと考えております。
詳細な機能等については、基本設計や実施設計等を通じてさらに具体化していくことにしておりまして、今後とも県議会や市町村を初め、幅広く関係方面などの御意見をお伺いしながら、県の防災・危機管理の中核的施設として十分に機能しますように、着実に整備を進めてまいります。