富山市議会会議録より
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2003.12.11 : 旧富山市 平成15年12月定例会 (第4日目)

 

◯8番(鋪田 博紀君

次に、松川流域の水辺資源を生かした観光振興について伺います。
先月20日から24日にかけて、超党派の市議会議員11名と県議会議員5名、観光や河川改修の専門家である民間の方3名で構成する訪問団で、アメリカ随一の観光そしてコンベンションのまち、テキサス州サン・アントニオ市を訪問しました。このことは新聞各紙にも掲載されていましたし、今定例会でも御紹介がありましたので、市民を初め多くの方が御存じかと思います。
今回の視察目的は、リバーウォークと呼ばれる都市河川の水辺空間を生かした観光とコンベンションの都市づくりと、洪水対策のために日本の民間企業によってつくられた地下貯水トンネルや関連するダム、水門などの施設見学、そしてテキサス州政府のサン・アントニオ川管理局での研修会でした。実質2日間という厳しい日程でしたが、大変実りのある視察でした。
サン・アントニオ市のリバーウォークについては、本年9月に開催された「リバーフェスタinとやま」と、あわせて開催されたサン・アントニオ市の公園管理者リチャード・ハードさんの基調講演により、多くの方が御存じかと思いますので、詳しくは申しませんが、神通川馳越線工事同様に蛇行して流れるサン・アントニオ川の濁流から市街地を守るために直線化工事を行い、ダウンタウンに残った蛇行部の河床を掘り下げ、上流・下流に水位調節水門を設け、川沿いにつくられた遊歩道を人々が散策できたり、川沿いにショッピングセンター、飲食店、ホテル、会議場を配置して、さながらテーマパークのようになったのがリバーウォークです。
人口120万人余りの都市ですが、年間約800万人の観光客が訪れるようになりました。また、コンベンション都市としても、年間800件余りの開催実績を誇っています。市長にもぜひともごらんいただきたいすばらしいまちでした。
蛇足ながら、国際的な観光コンベンション都市ということもあるのでしょう、市長も関心の高い治安についても大変安定しており、安心・安全なまちでした。また落書きのたぐいがなかったこともあわせて御報告します。
市長におかれましては、大変お忙しいこととは思いますが、サン・アントニオ市へ訪問されるおつもりはありませんか。
また、富山商工会議所が本年10月に我々訪問団に先立ち訪問されました。本市は昭和63年に国から国際コンベンションシティ、平成6年には国際会議観光都市の認定を受けておりますが、水辺空間を生かした真の国際会議観光都市への模索と研究を民間レベルでも始めています。
新幹線開業を控え、ストロー現象を懸念する声もありますが、年間約100万人が訪れる立山黒部アルペンルートなど世界有数の観光資源の玄関口として、滞在型観光とコンベンションに適したまだまだ未開発な潜在力を松川を初めとする水辺空間は持っています。また、市民にとっても日常的な憩いの空間として、未開発の魅力を秘めています。これら水辺空間開発の可能性とビジョンについて、市長はどのようにお考えになるか見解を求めます。
また、大きな夢とビジョンを描くことと同時に、現実的にまず今何ができるかについて考え、着実な一歩を踏み出すことも重要です。市民を巻き込んだ、例えば「松川リバーウォークを考えるネットワーク」などの設立も必要と考えますが、市としてこれらの活動に対する支援のお考えはありませんか、答弁を求めます。
もちろんサン・アントニオ市のリバーウォークをそのまま持ってくることはできないし、してはならないことです。富山の歴史や伝統を踏まえた、富山でしかできないリバーウォークをつくらなければなりません。そのためには、城祉公園整備計画を見直して、城祉西側堀を復元し、松川沿いの水辺空間との物理的・歴史的連続性を持たせることも必要だと考えますが、城祉公園整備計画を一部見直す考えはないか、答弁を求めます。
次に、合流式下水道改善計画について伺います。
「富山市上下水道事業中長期ビジョン」に基づき、松川右岸合流式下水道改善計画が策定されますが、合流式から分流式に改善する場合、地下埋設物の問題から大変な困難が予想されると伺っています。現実的にすべての対象区域で分流式への改善が可能なのか、その見通しについて答弁を求めます。
次に、貯留施設について伺います。
多くの大都市では、合流式下水道の改善手段として貯留施設の建設を行っています。本市においても、松川の下へ貯留トンネルを掘ることがトータルコストからみても現実的な合流式下水道の改善手段であると考えます。貯留トンネルなどの貯留施設建設について当局の見解を求めます。

 

◯市長(森  雅志君
鋪田議員の御質問にお答えします。
私の方からは、松川流域の水辺資源を生かした観光振興についてお答えし、その他につきましては望月助役及び担当部長からお答えします。
何点かお尋ねがございましたが、そのうちサン・アントニオ市へ訪問するつもりはないか。水辺空間開発の可能性とビジョンについてどう考えているのか。さらには「松川リバーウォークを考えるネットワーク」などについての支援の考えはないかの3点にお答えをします。
神通川は、かつて富山城の北側で大きく蛇行していたため、明治34年に馳越工事が行われ、昭和初期には運河を開削するとともに、その土砂で廃川地を埋め立てるという一大土木工事が行われました。松川やいたち川、そして富岩運河は、こうした先人たちの知恵と富山市の近代化を図るという熱き思いを今に伝える貴重な歴史的財産であります。
市内中心部を流れる松川、いたち川は、都市化の進んだ市街地において、水と緑にふれあえる貴重な空間であり、四季を通じて市民の憩いの場となっております。特に、この流域の桜並木は県内屈指の名所であり、多くの市民、県民や観光客が訪れております。
また、市内の水辺空間を活用したイベントとしては、春には「全日本チンドンコンクール」での幽玄ちんどん夜桜流し、夏には灯篭流し、一年を通しての遊覧船の運行、ノーベル街道ウォークラリー、カヌー体験や運河クルーズなどの運河まつり、とやま湾味覚市、神通川河畔を歩く健康ウォーク、ウォーターフロントコンサートなどがあり、多くの市民、県民や観光客に親しまれているところであります。
御披露もございましたが、この9月には、馳越工事100周年記念行事として、神通川から誕生した街「水の都とやま」の未来を探るとして、「川と街づくり国際フォーラム」が開催されたところでございます。
お尋ねの、水辺空間開発の可能性とビジョンにつきましては、これらの地域にある松川べり彫刻公園、常夜燈、延命地蔵などの歴史的・文化的施設の連携と回遊性を図ること。2つには、城祉公園と一体的な歴史・文化・観光ゾーンとして整備すること。3つには、観光資源の掘り起こしを行う「街なか観光」の推進をすること。4つには、遊覧船を活用した歴史・城下町めぐりなどが考えられるところであります。
これらのことから、本市の松川、いたち川、神通川、富岩運河の周辺は、全国・世界にも誇れる水辺空間としての可能性を秘めていると考えているところであります。
しかしながら、水辺空間の活用に当たっては、まず松川、いたち川は市街地を流れる河川であることから、降雨時には雨が短時間に流れ込み瞬時に増水すること。2番として、設置されている犬走りは橋の下で途切れているところが多い。また両河川ともごみ等が堆積したり、漂流したりしている。さらには、いたち川は勾配が急なため、流速が速く蛇行箇所もあり、遊覧船の運行は難しいこと。3つめに、富岩運河では中島閘門の下流で貯木がされており、遊覧船の運行が難しいなどの多くの課題があります。
次に、「松川リバーウォークを考えるネットワーク」を設立することなどへの支援の考えはないかとのお尋ねでございましたが、設立されるとすれば、設立やその後の推移を見守ってまいりたいと考えております。
なお、サン・アントニオ市への訪問のお尋ねにつきましては、国際観光都市を目指す上からも、機会があれば視察に訪れてみたいと考えておりますが、当面予定はしておりません。
次に、城址西側堀を復元し、松川沿いの水辺空間との物理的・歴史的連続性を持たせる必要があるが、城址公園整備計画の見直しの考えはないかとのお尋ねにお答えをいたします。
城祉公園は、平成11年度に策定しました「城祉公園基本計画」の中で、文化的にも重要性が高く、人々の交流する貴重な場であることから、「歴史がかおる都心のオアシス空間」として位置づけられております。
この計画では、整備方針といたしまして、1つには中央部は「つどいや憩い」の場として芝生広場やコミュニティー広場、さらには四季の庭を設け、郷土博物館と佐藤記念美術館との回遊性を高め、文化性にも配慮した空間としております。2番目には、外周部は隣接する各道路や松川公園との動線的ネットワークを考慮し、公園への誘導を図るため、歩道と一体性を持たせた開放的な空間としております。この方針に基づいて、順次、公園の南側から整備を進めているところであります。
しかしながら、本市の重点施策であります中心市街地活性化の観点から、観光拠点としての活用を図る機運が高まってきたことを踏まえ、今後、城祉公園のあり方について検討委員会を設置し、見直しについて検討いたしたいと考えております。
なお、西側堀の復元につきましては難しいものと考えております。
以上でございます。

 


2004.03.04 : 旧富山市 平成16年3月定例会 (第2日目)

 

◯34番(松本 弘行君

都市の中心に魅力があって、人が集まり交流ができる条件づくりは、最近注目されている観光政策にもかかわってきます。中でも、人口が減少する社会現象の中で、観光振興による交流効果が期待されるからであります。自民クラブは、平成6年に国の「国際会議観光都市」指定を受けて以来、基盤整備が整いつつあるコンベンション都市構想を重要な都市戦略と位置づけ、富山市観光政策の柱にするべきであると主張してきました。内外の会議を開いて、人を呼び寄せるには魅力的な観光が欠かせません。
昨年は、市議会観光振興議員連盟が中心になって、コンベンションシティの先進地、米国サンアントニオ市を視察してまいりました。当市は富山市と似た地形であり、河川改修で残った水辺をうまく使い、今や年間800万人もの人が訪れるということです。当地のものをそのまままねることはありませんが、とるべきところは多くありました。富山市は水に恵まれ、幾つかの川も市中を流れていますが、いま一つ水辺に親しむという慣習に欠けているように見受けられます。
1つには、そのような環境づくりがなされていなかったこと、もう1つは、長らく水に苦しめられた経験によるものと思われます。しかし近年、治水対策も行き届き、水辺環境も整いつつあります。自民クラブでは、これからはコンベンション会場と城址公園周辺や松川の水辺を生かす工夫が必要と考え、昨年の12月議会で幾つかの提言をして、前向きな答弁もいただきました。引き続き、コンベンションと城址公園、松川周辺の有機的なつながり、並びに松川の浄化対策を要望いたします。
具体的には、城址公園基本計画の見直しによる南西空地の大型バス駐車場設置など、大手モールや国際会議場と一体化した活用、佐藤記念美術館北側の遊園地と松川周辺に観光施設や賑わいの商業集積、公園西側に西濠の復活検討、松川への合流式下水道の改善見通しについてお答え願います。
また、川は流れて運河や港、さらに富山湾へとつながっていますが、将来、船による遊覧を可能にする基盤整備の構想が求められます。全国的に知られた観光資源を持たない富山市にとって、これら観光事業とは今までの価値を探り、新たに創造する産業であるとの認識を持つからであります。その意味で、今回は新規事業も含めて観光施策への積極的姿勢を評価しております。新年度予算案に示された都市再生案、中でもその中核となる中心地区再開発事業の着手は、再生への本格始動と受けとめていますが、人の定住と賑わいの創出、人の流入策と創造的な観光施策など、市長の都市再生戦略についてお聞かせください。

 

◯市長(森  雅志君

次に、都市を訪れるという視点では、「行ってみたい」と言われるような、多様な人々で賑わう個性的で魅力ある集客施設の整備や公共交通機関の利便性の向上、回遊空間の整備、都市型観光の推進などが重要であります。このため、富山駅周辺地区や総曲輪地区のグランド通りなどを、これまでにない複合的な賑わいの拠点とする計画に取り組んでいるところであり、また、観光の推進の観点から、通年・滞在型観光への取り組み、観光客誘致の強化、新たな観光資源の発掘などにも取り組み、「また、行ってみたい」と言われるようなまちづくりを目指しているものであります。
さらに、平成16年度は、松川、いたち川の新たな観光資源の発掘や活用を図る「まちなか観光」の推進、観光資源として歴史上の人物を取り上げた「(仮称)佐々成政記念館整備調査」への支援、コンベンション誘致の促進強化などにも取り組み、21世紀にふさわしい交流拠点都市を目指してまいりたいと考えております。


2007.06.12 平成19年6月定例会 (第2日目)

 

◯ 30番(中川  勇君
議員の皆さん、背中を向けての質問になりますので、よろしくお願いいたします。
この席に初めて座りますと、裁判を受けている被告席にいるような感じがしますが、思い切って自分の意見を述べて、当局との一問一答に当たりたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、まちづくりについてでありますけれども、市長は、5月の連休にサンアントニオ市などを視察されましたが、とりわけサンアントニオ市についての御感想なりをお聞かせいただければと思います。

 

19 ◯ 市長(森  雅志君
私もここで答弁するのはなれないものですから……。
お答えいたします。
全くプライベートな旅でしたので、こっそり行ってきたいと思っていましたが、スケジュールが事前に報道されたりしまして、少し困惑をいたしましたが、大変有意義だったと思っております。
事前にサンアントニオについて、何年も前からいろんな方から情報をいただいたり、お勧めもいただいたりしてまいりました。時々お会いするアメリカ人の方に聞いても、「テキサスのサンアントニオはいいところだ、ぜひ行ったほうがいい」というお勧めなどもよくいただきましたので、いい機会を見つけられたと思っております。
御案内のとおり、サンアントニオはいわばテキサスという広いところのど真ん中にあるわけですが、長い間、洪水に苦しめられていた都市であります。洪水対策ということを官民一体となって取り組む。そのことにあわせて将来を見据えたまちづくりを一体的にやってきたということであります。
その一つの手法が、延長約6キロメートルの川に対してバイパスをつくって、そのバイパスの周囲を整備していくことによって川沿いを歩いていくというまち、リバーウオークというものを実現されたわけであります。その際、川底を掘り下げて、また、隣接してつくる建物も低く建てることによって、川沿いを歩くときに騒音を遮断して自然の川を生かした全く別の世界をつくるという、まさに人工的に新しいまちをつくるという発想でございますが、現地を見て大変感銘を受けました。
河川の引き込み口では水量の調整がされておりまして、流れているというよりもたまった状態でございます。したがって、水面は一定の高さにいつも保たれているということです。それから、落下防止の柵などは全然ないのですけれども、歩道の幅が広くてきれいに掃除もされておりまして、気持ちのよい状況でした。ただ、川の水は松川のほうがはるかにきれいだと思っております。しかし、においはありません。したがって、沿川にはレストランやその他のお店や飲食店などが並んで建っていますけれども、大変きれいで、夜はライトアップもされまして、本当にびっくりするくらい多くの観光客やビジネス客でにぎわっていたわけで、こういったことは、今後の富山のまちづくりにも参考としていかなければならないと思っています。
ちなみに、サンアントニオの都市圏は人口約125万人ですが、観光客が1年に1,740万人。その外の数字でコンベンションに来る方が390万人です。富山市は、通過する人も含め全体で約600万人ぐらいの中で、コンベンションは約5万400人でありますので、富山市も「コンベンションシティーだ」と総合計画に掲げていますが、サンアントニオの390万人という数字を聞かされると、もっとコンベンション誘致に力を入れるべきだろうというふうにも思った次第でございます。
なお、富山市の年間の宿泊者数は178万人ですが、それに対して900万人という都市であります。いずれにしましても、富山市は幸い松川、いたち川という中心部に非常に恵まれた水辺空間を持っておりますので、ここを有効に活用していくということは、今後のにぎわいづくりに必要ですが、今言ったように、水位を年間を通してどう安定させるのかとか、あるいは水質をどう高めていくのか。今、上下水道局長から貯留槽の話もありましたが、そういうことも含めて、短期間では解決できない大きな課題もあります。そのため、今年度、川を活用したにぎわいづくりのための有識者やいたち川沿川の市民、商業者などで構成します懇話会を組織いたしました。今後、リバーフロントとしての価値を高めるため、富山市の中での位置づけをどうしていくのかということを含めながら、この懇話会において、しっかり検討していきたいと思っております。

 

23 ◯ 建設部長(島倉 憲夫君
お尋ねのございました城址公園の西側の整備につきましては、用地、建物の補償などのいろいろな問題がございますが、現計画では、主に花の回廊としての位置づけがございます。しかし、今回、サンアントニオ市を見に行ったことや時代の変化などを踏まえまして、市民や観光客が十分楽しんでいただけるような新たな回遊性のある水辺空間にできればというふうに思っております。そのためには、先ほど市長からもお話がございましたが、松川の低水護岸を利用したリバーウオークを創出し、それとの連携を図っていくことが必要だろうというふうに思っております。
これからのまちづくりを進めるには、個性、多様性というものを重視していく必要がございますが、富山市は神通川によって生まれ育ってきたまちでございます。富山の発生の地である神通川の本流の後に松川がございまして、この松川は、全国に例のない都市河川でございます。これをまちの資源として、リバーフロントとして価値を高めることが必要だというふうに思っております。
川、水辺がありまして、そばに歩道があって、車道があって、その中に路面電車が走っていてぐるぐる回れるというのはすばらしいことだというふうに思っております。そして、城址公園内で遊び、飲食し、買い物などができ、風格のある茶室など歴史・文化も味わえ、訪れる人たちがわくわくするような、そのように感じてもらえるようにできればと思っておりまして、それが本市のこれからの新たな魅力になると考えておりますので、今ほど申し上げましたこのような可能性につきまして、検討してまいりたいと考えております。

 

29 ◯ 30番(中川  勇君
市内の観光拠点として考えているのなら、平成26年になれば新幹線が入って来ます。そうすると残り7年間。新幹線が前倒しになるかもしれないというときに、計画では、新幹線が来るまでに城址公園を完成させましょうという話なのです。
だから今言っているように、県とかから仄聞すると、いろいろなものの取り組みの中でやっていかなければならないということで、市長は口が重たいだろうというふうには思いますが、時間があるようでないものですから、やはり、ここのところは思い切った施策で、斬新な計画を立てて、せっかくサンアントニオまで行ってすばらしい都市を見て来られたわけですから、その辺も含めて、城址公園と松川が一体的になるような魅力のあることを、もう一歩踏み込んで話はできないものですか。

 

31 ◯ 市長(森  雅志君
内部で検討しているものは当然あるわけです。今、議員がおっしゃったようなことも同じ思いでおります。県とはいくらでも話はできます。今、配慮したいと申し上げたところは、現地を思い出していただくと御理解いただけると思いますが、つまり、公でないところが持っていらっしゃる土地が大きくあるわけですので、ここへの配慮ということもしていかなければならないということを申し上げたので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

 

84 ◯ 39番(島田 幸男君
一問一答方式は、私自身も初めての経験でございます。午前中、中川議員の質問を聞きながら、時間配分そのものがかなり難しいということも感じたわけであります。それともう1点は、予算特別委員会のときは、対面でございましたけれども、平面でやっていたものですから、きょう、ここへ立ってみますと、当局側は非常に高いところにおられ、皆さんから見下ろされているものですから私も大変恐縮をいたしております。しかしながら高い見地から、私なりの質問に対して高等な答弁をいただければ幸いだと思うわけであります。そういう面で、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
午前中の中川議員の質問と若干重複しておりますので、ある程度割愛しますけれども、市長は水辺を活かしたまちづくりということで、5月の連休に私費でアメリカ方面、サンアントニオ市を訪問されたわけであります。サンアントニオの歴史については、私も月刊誌を拝見させていただきましたけれども、かなり詳しく述べておられますので、私なりに理解はしたつもりであります。したがって、先ほども言われましたので割愛させていただきますけれども、その間、アメリカでニューヨークにも立ち寄られたということも聞いているわけですが、一連の旅で視察されたことについて、これからのコンパクトなまちづくりや水辺を活かしたまちをつくるということで、市長の御感想あるいは将来展望があれば聞かせていただきたいと思っているわけであります。

 

86 ◯ 市長(森  雅志君
サンアントニオとニューヨークへ行ってきました。両方、今回の旅行を通しての感想という御質問だろうと思いますが、サンアントニオの印象その他につきましては、午前中、中川議員の御質問にお答えしたとおりでございます。やはり富山市は、松川、いたち川、さらには富岩運河環水公園、そしてその先には海というようなことで、水辺空間というものをうまく育てていく、あるいはうまく仕掛けていくと、魅力的なものになるまちだろうと思っています。新幹線がやってくる以降の時代を見据え、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりと言っていますが、それだけで終わるわけではありませんので、その先にあるものは、やはり平成26年をにらみながら、どう来街者を増やし、観光客の皆さんにとって魅力的な都市だと位置づけていただけるのか、そのための取り組みに、午前中の中川議員の御質問にもお答えしましたように、共感していただける人が多いのではないかと思いますが、御指摘いただいたことも含めて、今後、きちんとやっていくことが必要だろうと思います。
ニューヨークは初めて行きましたけれども、これはコンパクトなまちではなくてメガポリスでありまして、大変大きな都市であります。さすが世界のニューヨークだというエネルギーを感じましたし、ブルックリン橋を歩いて渡りましたが、あの時代によくあのようなすばらしい構造物をつくった。それも今の時代を見据えた都市計画というものの持っている力というものを感じました。
またもう一つ、メトロポリタン美術館へ行きましたけれども、メトロポリタン美術館では、富山県出身の土井さんという学芸員の方がおられまして、懇切丁寧に案内もいただきまして非常によかったと思っております。ただ1点だけ申し上げますと、メトロポリタン美術館も、公営のものではなくて民間の財団が運営している。そして、ああいう美術館というのは、アメリカに限らず、収集されているコレクションというのは個人の寄附、コレクションされたものを全体で寄附される。せっかく長いことかかって集めたものを公のために寄附するというアメリカやヨーロッパの文化を育てるための考え方が全然違う。
日本は、バブル期以降、特にバブル期はそうでしたが、公設であちらこちらに美術館がつくられました。例えば最初のコンセプトがだんだんそうは行かずに予算が厳しい中で、途中でまだ不十分な収集状態であるコレクションが多いと思いますけれども、そういう意味でアメリカの文化というものが、個人が富をつくることがもたらすエネルギーや社会に与える影響は非常に大きいと思いますが、しかし、つくっただけではなくて、その先にあるものは社会へ貢献するという文化なのだろうと思いますので、いろんな意見はあるかもしれませんが、少なくとも、目の当たりにした上で美術や文化を守るという際に、社会全体での富の蓄積というのは大事な要素かなということを思った次第であります。それは、まねるわけにはなかなかいきませんけれども、しかし、文化を守っていくという意味では、行政の役割、個人の役割、社会の役割、それぞれを伸ばしていくことが必要なのかと思ったことも印象としてはあります。

88 ◯ 39番(島田 幸男君
サンアントニオ、あるいはニューヨークは先進地と申しますか、そういったところを視察された中で、市長のまちづくりの中でライトレール、昨年の決算を見ますと大変な成功裏に終わったということですし、国土交通省のほうからも、あるいはまた全国的にも注目を浴びているわけでございますから、コンパクトなまちづくりの中で、こういう水辺を活かした将来の展望を的確に行政として指示を出していただければ幸いだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 


2007.09.11 富山市 平成19年9月定例会 (第2日目)

47 ◯ 40番(松本 弘行君

次に、かねがね私は、富山市まちなか観光の新しい魅力の1つに、水辺空間の創出を主張してきました。富山城址公園周辺、松川、いたち川、富岩運河、富山湾と環日本海スケールを持っているからです。富岩運河は県の所管ですが、国内きっての長さを誇り、中島閘門や牛島閘門など貴重な文化財もあり、今後、近代化遺産の宝庫として、産業観光の目玉に富山市も協力して活用しなければなりません。中でも、牛島閘門はいたち川とつながり、日常的に生かしながら水の循環を強調すべきです。
今春、エコボート運航の社会実験が報じられ、閘門周辺に集中している水の管理施設のPRや運河といたち川の環境観察ツアーに期待が寄せられています。また、八田橋脇のいたち川公園まで遡上できるなら、ライトレールと運河めぐりの可能性が見えてきます。この計画の詳細をお伺いします。
また、松川、富岩運河には、長年、船を就航させて魅力発掘に努力されている民間事業者もおられます。どのような協調関係を想定されているかお聞かせください。

59 ◯ 都市整備部長(山崎 和夫君
産業観光についてのうち、富岩運河エコボート運航の社会実験について、この計画の詳細を問う。民間事業者とどのような協調関係を想定しているかについてお答えいたします。
本市の中心市街地における貴重な水辺空間を活用するとともに、ライトレールと連携した新たな周遊観光ルートの創出を目指し、10月27日、28日の2日間、富岩運河環水公園から中島閘門を通過し、岩瀬に至るルートで船の運航実験を実施することにしております。
この実験の目的は、中心市街地と岩瀬地区を船で結ぶことについて、河川、運河の環境や関係機関との調整など、船を運航するための課題の把握をすること。市民の皆さんに水辺空間の魅力を再発見してもらうことなどであります。
この実験に関して、8月に体験乗船していただく市民モニターの募集を行ったところ、30組60名の募集に対し80組160名の応募があり、市民の皆様の関心の高さがうかがえる結果となりました。市民モニターの皆さんには、静かにゆっくりと進む船で水の音なども聞きながら、自然環境にも思いをめぐらせていただければと考えております。なお、使用する船舶については、東京都千代田区所有の電気充電式ボート2艇を借用することとしております。
今後は、実験実施までに明らかになった課題の整理を行うとともに、実際の実験での状況や市民モニターのアンケート調査を整理し、今後の本格実施の可能性などの検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、民間事業者とどのような協調関係を想定しているかについてでございますが、今回実施する船の運航実験については、船の運航のほか、国や県、また運河を利用している貯木、港湾事業者などとの協議における課題の整理を行うことが重要な目的だと考えております。
これまでに行ってきた運航実験の準備過程でも、イベント運航と定期運航を行うための手続の違い、運河の水草が繁茂する問題、船の発着場の問題など、解決すべき課題が明らかになりつつあります。
こうしたことから、まずは本市として実験的に事業に取り組み、先鞭をつけることによって、意欲ある民間事業者などが具体の定期運航を実施されることにつながればよいと期待しており、その際には、市といたしましても、そうした民間事業者を大いに支援してまいりたいと考えております。
以上であります。

 


2007.12.10 平成19年12月定例会 (第3日目)

13 ◯ 14番(市田 龍一君

引き続き、自由民主党より一般質問を行います。
まず、初めに、水辺空間を活用した回遊観光について伺います。
富山市の中心市街地を流れる松川やいたち川は、まちなかの貴重な資産であり、四季を通じて身近な水辺空間として市民に親しまれております。
現在進められています城址公園の整備においても、松川との連携を図り、水と緑の親水広場として整備し、市民の憩いの空間とすることが検討されております。また、富山市のまちなか観光やまちなかの賑わいを創出するため、このような水辺空間を有効に活用することが大切であると思われます。
このような観点から、今回、水辺を活用したまちづくりや富山ライトレールと連携した新たな観光ルートの開拓を目的に、10月27、28日の2日間、富岩運河環水公園から岩瀬カナル会館まで、エコボートによる運航実験を実施されました。エコボートとは、電気モーターを利用して走るため、川や大気を汚さない環境にやさしい船であります。私も体験乗船しましたが、音や揺れもほとんどないため、ガイドさんの説明も聞きやすく、また冬鳥も間近にウオッチングできるなど、大変快適にエコボート体験をすることができたのであります。
現在、エコボートは、東京の神田川などで「都心の水辺でエコツアー」として運航され、デイツアーやナイトツアーともに大変人気があり、申し込みから乗船まで約1カ月待ちと聞いております。市長は、以前にもこのエコボートに東京で乗船されたと伺っていますが、今回は環水公園から岩瀬までのルートで、船長としてエコボートに乗り込まれたのであります。まさに市長は富山市の針路を決断する船長でありますので、これからも迷わずリーダーシップを発揮されると思いますが、今回、このエコボートに船長として操船された感想をまずお聞かせください。
また、今回、多くの市民がモニターとして体験乗船され、アンケート調査をされたようでありますが、アンケート結果やモニターの方々の反応はどのようなものであったのか伺います。
さらに、富山ライトレールと連携した新たな観光ルートを検討する上で、乗船者を楽しませるためのさまざまな仕掛けづくりが必要であると考えます。そのためには、中心市街地を流れる松川やいたち川を出発点に、岩瀬までとするなど運航ルートや、定期的にエコボートを運航する際の運営主体などさらに検討を進めるべきと考えますが、市の考えをお聞かせください。
富山市が保有する水資源を観光資源として活用し、「水の都、とやま」としてさらなる発展を願うものであります。

15 ◯ 市長(森  雅志君
おはようございます。
市田議員の御質問にお答えします。
私の方からは、最初にございました水辺空間の回遊観光についてお答えし、その他につきましては担当部長から答弁申し上げます。
エコボートによる運航実験で操船した上での感想はどうかとのお尋ねでございます。
本市の中心市街地における貴重な水辺空間を活用するとともに、ライトレールと連携した新たな周遊観光ルートの創出を目指して、10月27、28日の2日間、富岩運河環水公園から中島閘門を通過し、岩瀬に至る約8キロメートルのルートでエコボートによる船の運航実験を実施いたしました。
初日はあいにく雨模様でしたが、2日目は青空が広がり、乗船された皆様におかれましては、静かにゆっくりと進む船で水の音なども聞きながら快適な船旅を体験されたのではないかと思っております。
私も初日にこの船に乗船し、実際に操船も行ったわけですが、なお船長ではございませんので。船長はきちんと届けをした方がいて、一般のお客様ではない友人、知人を乗せた船を運転したという立場です。
個人的な印象としては、デザインが非常にすぐれていて、議員も御指摘のとおり、電気で動くということですので非常に静かであること。それからエンジンと違って振動もほとんどありません。もとより排気ガスもないわけです。さらに、家庭用の電源から10時間程度充電すると、おおむね8時間運航できるという点も含めて考えますと、非常にすぐれた船だと思っております。
もとより高速性はありません。ゆっくり走るということですが、しかし、ゆっくり進む船だからこそ周辺に目が行き、あるいは自然環境にも思いをめぐらせることなどができる、そのような周遊を楽しんでいただけると思っています。
運航ルートを通じて感じたことを言いますと、環水公園や運河両岸の水と調和し緑豊かに整備された様子や、中島閘門通過の際の落差約2.5メートルの水位調整の体験、また整然と水面に並ぶ北洋材の貯木から漂う木の香りや、水鳥たちがその周辺に数多く息づく様子、さらには外海へとつながる富山港の開放感と荒々しさなど、陸上からではなかなか知ることのできない貴重な水辺体験であったと思っております。本市の水辺空間の魅力を改めて認識した次第であります。
次に、アンケート結果やモニターの方々の反応はどうかとのお尋ねにお答えします。
エコボートによる船の運航実験では、2日間で市民モニターが60名、その他の関係者が28名、合計88名の方々に乗船いただき、アンケートを実施いたしました。このうち回答があった78通の内訳は、性別では男性40名、女性38名となっており、年代では50歳以上が約半数となっております。
アンケートの内容としては、「船の乗り心地」「運航ルートや時間」「船から見える景色」などについてお聞きをいたしましたが、どの個別項目もおおむね好評で、ツアー全体の感想に対しては「大変よかった」「よかった」という回答が95%ありました。
今後の継続性に関する問いについては、75%の方々が「続けるべき」としており、松川・いたち川を含めた運航ルートに関する問いについては、70%近い方々が「興味がある」と回答されております。
また、印象に残ったものとしては、中島閘門の通過体験やエコボートの静かさ、富岩運河環水公園などで、運航ルート途中の休憩場所の整備やライトレールとの割引周遊券の検討などを求める意見がございました。
最後に、中心市街地から岩瀬までの船による運航ルートや、定期的に運航する際の運営主体などを含め検討を進めるべきだと考えるがどうかとのお尋ねでございます。
今回実施した運航実験は、富岩運河環水公園から岩瀬に至るルートですが、さらに松川やいたち川を出発点とする場合は、千歳町付近に数カ所の石積みの堰があることや、牛島閘門の水深と船の喫水との関係、河川の出水時期における洪水対策など、安全面や管理面などで解決すべき課題も多いと考えております。
こうしたことから、当面は、今回実験を行った富岩運河環水公園から岩瀬に至るルートについて検討してまいりたいと考えておりますが、このルートにおいても運航実験で明らかとなった、1つに、運河の淡水区域で水草が繁茂する問題、2つに、中島閘門以北での貯木事業者の作業と船の通過時の調整に関する問題などの課題があると考えております。
また、定期的な運航つきましては、今回の運航実験を参考に、民間の意欲のある方々が主体となって運行を行っていただければと考えており、そうした方々に対して市として協力、支援してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、中心市街地から岩瀬まで船を運航するというのは大変に夢のある話であり、運航の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。

 


2008.03.06 平成20年3月定例会 (第2日目)

50 ◯ 17番(吉田  勉君

次に、中心市街地活性化策と松川、いたち川等の水辺空間の活用策についてお伺いいたします。
昨年の2月に中心市街地活性化基本計画が国より全国第1号として認定され、公共交通の利便性の向上や賑わい拠点の創出、まちなか居住の推進などの3計画を中心にしてまちづくりに鋭意努力されてきましたことに敬意を表します。
また昨年は、総曲輪フェリオやグランドプラザがオープンし、富山市の新しい顔となり、県都の中心商店街である総曲輪通りとともに魅力と活気に満ちた商業地となってまいりました。平成26年度末に予定されている北陸新幹線開業まで、引き続き中心市街地活性化に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、富山駅周辺事業やガラス美術館、城址公園、富山市立図書館など、本市がこれから展開される事業のスケジュール及び課題についてそれぞれ具体的にお伺いします。
次に、松川、いたち川等の水辺空間の活用策についてお伺いします。
松川は旧神通川の名残であり、富山城はこの川を背後に配置されていましたように、松川やいたち川は、富山市のまちを形成している重要な河川であり、かつて富山の人たちはこれらの河川とともに生活してきたわけであります。しかしながら、近年、こうしたまちづくりの土台であり、骨格を形成しているともいうべき河川が、雨水を流すだけの排水機能に偏った整備が優先されてきたのでないかと危惧しております。
もとより、人々の生命や財産を脅かす洪水は、あってはいけないものであり、守りをおろそかにすることはできませんが、一方では、富山市民の心のよりどころともいうべき水辺空間を、もう少し潤いのあるものとして活用することが大事ではないかと考えております。そうした水辺空間の活用は、アメリカのサンアントニオなどがよく話題になりますが、ほかにもいろいろな事例があると思います。松川やいたち川の管理は富山県の管理であるとは聞いておりますが、それは治水管理のことであると思います。
市民がもう少し水面に近づいて、散策や休息を楽しめるような河川周辺の空間整備を考えることは、まちの魅力アップの重要な要素であり、市民に最も近い行政として、富山市みずからが市民の声をよく聞いて、富山市らしい水辺空間の望ましい姿を早急に描いてみることが大事であるとかねてより考えておりました。
そうした中で、今年度、市当局では、学識経験者や市民を委員とした松川・いたち川等水辺空間活用方策検討懇話会を設置され、検討を始められており、どんな構想や計画ができるのかということを大変楽しみにしているところであります。
そこで質問ですが、現在の懇話会での主な意見としてどのような意見があるのかお聞かせください。また、船を動かしたり、サンアントニオのような水辺の整備をするためには、どのような課題や選択肢があるのかについてお聞かせください。松川やいたち川の河川空間を治水と活用の両面が成り立つように整備するには、河川管理者である富山県との調整が必要なことは十分承知しておりますが、短期的に可能な中途半端な整備を繰り返しても、真に魅力的な世界に誇れるような水辺空間にはならないと思います。
市当局におかれましては、長期的な視点に立って、将来を見据えた計画(マスタープラン)を作成され、その実現に向けて努力していただきたいと思いますが、森市長はどのように考えておられるのかお伺いいたします。

 

52 ◯ 市長(森  雅志君
最後に、松川、いたち川等の水辺空間の活用策についてお尋ねのありました件についてお答えします。
まず、「松川・いたち川等水辺空間活用方策検討懇話会」ではどのような意見が出ているのか。あるいは船を動かし、サンアントニオのような水辺の整備をするためにはどのような課題や選択肢があるのか。そして、将来を見据えた計画を作成し、その実現に向けて努力すべきと思うがどうかとのお尋ねにお答えします。
本市の中心市街地における貴重な水辺空間を、都心の魅力向上やにぎわいづくりに活用するため、今年度、学識経験者や市民の方々を委員として、「松川・いたち川等水辺空間活用方策検討懇話会」を設置し、2回開催したところであります。
この懇話会では、魅力的な水辺空間を創造するためのマスタープランが必要ではないかといった計画づくりの重要性に関する御意見のほか、ホタルやトンボなどが生息する川の原風景を取り戻すべきだ。あるいは水辺に近づき、水とふれあい、水にたたずめる仕掛けづくりが必要だ。さらに、船と路面電車を組み合わせることにより、都心と岩瀬を往復する楽しみが増えるといったまちの魅力アップにつながる水辺空間の活用について、さまざまな御意見をいただいており、市民の皆さんの水辺空間のにぎわいづくりに関する期待感を強く感じているところであります。
なお、懇話会の御意見の中にも、松川、いたち川など、まちの中心部から岩瀬まで船を動かしたらどうかという御意見もございますが、そのためには、船の航行に適した水深を確保する必要があり、これには、松川、いたち川の合流点付近にある石積みの堰を撤去するとともに、水位調整をしながら船も通れるための新たな閘門を設置する方法や川底を掘り下げる方法などがあると思いますが、どちらにしても大がかりな工事になると考えております
さらに、松川の両側をサンアントニオのように、水面に近接してレストランやお土産屋などのにぎわい施設が並び、リバーウオークを人々が行き交うような水辺空間として整備を行うには、降雨時に松川に雨水が一挙に流れ込むことを防止し、松川の水位の安定を図るため、雨水を一時的に貯留する施設の整備、さらに別の河川に流すためのバイパスの新設、あるいはいたち川から松川への逆流防止の堰の設置などが必要であると考えられます。また場所によっては、用地確保のために、川と隣接する道路のつけかえや既存建物の移設が必要となる場合もあると思われます
このように、松川やいたち川を魅力的な水辺空間として活用するためには、いろいろと難しい課題もありますが、例えば、サンアントニオのリバーウオークにいたしましても、長い年月と継続的な努力を重ねて、現在の姿・にぎわいに至ったものであり、本市においても、市民や学識経験者の方々からも十分に御意見を聞き、河川管理者である県とも十分に協議しながら、将来を見据えた魅力的な水辺空間整備の計画を策定することが重要であると考えており、その上でできることから取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。

 


開催日:2015.12.07 平成27年12月定例会 (第2日目)

102 ◯ 15番(佐藤 則寿君

次に、観光振興について伺います。
今や「地方経済の活性化を支える大きな柱が観光である」とも言われ、国は、観光立国を目指して2020年までに訪日外国人旅行者数を年間2,000万人にする目標を掲げましたが、既に本年度には1,900万人台半ばに達し、旅行消費額も昨年を大きく超えるとのことであります。
その一方で、日本人の国内旅行者数や消費額は減少傾向で、外国人の旅行者を獲得しつつ、日本人の国内旅行者も伸ばさなければなりません。
そこでまず、北陸新幹線の開業から9カ月が経過しますが、本市における国内外の旅行者の実態や経済効果、さらに北信越の広域連携など、今後の施策についてお聞かせください。
私は先月、「全国商工会議所観光振興大会2015inしずおか」に観光議員連盟の一員として出席させていただきました。大会では、富山商工会議所が「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」を受賞され、高木会頭が事例発表される歴史的な大会に同席できましたことに感謝するとともに、改めて観光産業が地方創生の鍵となることを痛感してまいりました。
分科会や全体会議の基調講演、さらにはパネルディスカッションなど「歴史・文化資源の『再発見』と『学び』による観光振興」との一貫したテーマのもと、全国各地から約1,000名が集い、ともに学び、躍動感のある有意義な大会であり、私も改めて「着地型観光」と「歴史資源」のキーワードについて学びました。
そこで、地方創生の推進役として注目される着地型観光の一層の推進が重要と考えますが、本市の取組みを伺います。
先般私は、福井市にある一乗谷城を中心に越前国を支配した戦国大名朝倉氏の遺跡を訪れました。そこでは、街並みを立体復元された城下町が再現され、室町時代の装いのボランティアが随所で寸劇を演じるなど、大勢の観光客やスタッフでにぎわっておりました。またタブレット端末をかざすと、そこにかつての朝倉氏の館がCG映像で再現されるという実証実験も体験し、感動しました。
改めて、土地に刻まれた歴史こそ、その地域の最大の観光資源であり、歴史遺産を生かした着地型観光が地域活性化の鍵を握ることを学びました。
ところで、本市のまちなかには偉大な歴史資源があります。明治の馳越線工事によって廃川となった神通川、その名残となる松川がありますが、戦国武将佐々成政は、洪水で蛇行してきた神通川を活用して富山城を浮城としました。また、富山藩時代には、大水や大雪等で船橋が壊れる危機にあるときは切り分けて保護するなど、維持管理の大変難しい船橋でしたが、越中富山の名勝として多くの絵に描かれ、俳句や和歌、紀行本などでも紹介されております。さらに往来する人々を見守った常夜燈は現存しております。
そこで、復元は不可能ですが、タブレット端末をかざせば数百年前の浮城や船橋などの旧北陸街道を行き交う人々のにぎわいや暮らしの情景があらわれるような仕掛けなど、具体的な取組みを伺います。
さらに、橋脚が川の流れを塞ぐことを避けた船橋や蛇行した神通川を直線化する馳越線工事については、これを知る市民が減少傾向にあり、まことに残念であります。私はこれこそ、富山市が防災に取り組むレジリエント・シティにふさわしい他都市にはない防災遺産であり歴史遺産でもあると確信をしております。
今こそ、これらの神通川の水害と、それと闘ってきた歴史を観光資源として活用する積極的な施策を期待しますが、森市長の見解をお聞かせください。
また、大会では、歴史小説家の植松 三十里氏が「学習する観光が重要であり、歴史観光をより楽しむために、その資源の背景にある歴史やストーリーを知れば、さらに観光を楽しむことができる」と語られるとともに、博物館でのCGやジオラマの奨励をされておりました。
本市の郷土博物館は、北陸新幹線の開業のもと、入館者数も増加しており、さきの「戦国の強者 津田遠江守重久」特別展など、初めて知る歴史の企画がなされており、心から敬意を表するものであります。
そこで、模型や映像を使った常設展「富山城ものがたり」もありますが、浮城や船橋、馳越工事などの本市ならではの歴史遺産が来場者にさらにわかりやすく楽しんでいただけるよう一層の御尽力を期待するものですが、リニューアルオープンから10年の施策や課題、今後の取組みについてお聞かせください。
また、お堀から見る富山城や周辺のビルから見る天守はライトアップもされるなど好評ですが、天守展望台から見る光景は、周辺にそびえるビル街で立山連峰すらよく見えないのが残念であります。ここにビジュアル的な仕掛けができないかと思いますが、あわせて御見解を伺います。
「しなやかで折れない心」としてのレジリエンスをよく耳にするようになりましたが、そこで防災教育としても、市立図書館新本館や科学博物館などに、船橋や馳越工事などのジオラマや書籍コーナーなどの設置ができないかと考えますが、取組みについてお聞かせください。
さらに、本市の多様な博物館との連携や歴史遺産の現地をつなぎ、内外の集客等一層の相乗効果を図ることで歴史資源をさらに有効活用できないかと思いますが、取組みを伺います。歴史遺産などの解説や案内板の作成など具体策についてお聞かせください。

 

106 ◯ 商工労働部長(和田 秀俊君

次に、着地型観光の一層の推進が重要と考えるが、本市の取組みを問うにお答えします。
近年、観光需要の多様化や個人旅行へのシフト等により、地域の観光資源を活用した地元ならではのプログラムを楽しむ着地型観光のニーズが高まっており、地域の活性化につながるものと期待されているところであります。
本市では、観光実践プランの5つの基本方針の1つとして、「官民一体となった受入れ態勢整備」を位置づけ、着地型観光の推進に取り組んでまいりました。具体的には、北陸新幹線の開業を見据え、着地型観光の推進を担う人材育成を目的として「富山ファン創出おもてなし事業」を実施したほか、本年度は市北部の観光資源である岩瀬地区のまち歩きと富岩水上ライン、ポートラムを組み合わせた新たな着地型旅行商品を企画するなどして、着地型観光の推進に努めてきたところであります。
今後のさらなる着地型観光の推進につきましては、これまでの施策を継続するとともに、新たな取組みについては、来年度策定を予定しております次期観光実践プランにおいて検討してまいりたいと考えております。
次に、まちなかの歴史資源について、タブレット端末をかざせば数百年前の旧北陸街道を行き交う人々の情景があらわれるような仕掛けなど具体的な取組みを問うにお答えします。
本市では、市内中心部に残る常夜燈周辺の環境整備や説明看板の設置を行い、江戸時代の神通川の様子を伝える貴重な歴史資源として保全するとともに、観光資源としてホームページに掲載するなどPRを行ってまいりました。
議員御提案の「タブレット端末をかざせば、当時の旧北陸街道の情景があらわれるようにしてはどうか」につきましては、現在のところ考えていないところでありますが、現存する歴史資料などについて、ホームページ等各種媒体を活用し、情報発信に努めてまいりたいと考えております。
次に、神通川の水害と、それと闘ってきた歴史を観光資源として活用する積極的な施策についてお答えします。
本市中央部を流れる神通川は、明治の初めころまでは、富山城を守る自然の要害であり、急流で膨大な水量を一挙に流す暴れ川として、大雨が降るたびに地域の田畑や人家に大きな損害を与えてきました。
先人の方々は洪水を未然に防ぐため、蛇行する神通川に新しい河道を掘削して直通させる馳越線工事による治水を行い、さらには富岩運河の開削と神通川廃川地埋立てとそれによる市街地開発という明治から昭和にかけての一連の大事業は、本市の発展の礎となったものであります。
このような歴史を郷土の誇りとして、また本市のまちづくりの根幹にかかわる事業として、より多くの人々に歴史に対する見聞を広め、自然環境への配慮に対する再認識をしていただくことは重要であると考えております。
このため、本市では、富岩運河や中島閘門、常夜燈周辺の環境整備、説明看板の設置を行い、江戸時代の神通川の様子を伝える貴重な歴史資源として保全するとともに、郷土博物館においても紹介してきたところであります。
本市といたしましては、こうした歴史資源についても、観光資源の1つとして捉え、パンフレットやホームページに掲載し、PRに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

110 ◯ 教育長(麻畠 裕之君

観光振興についてお尋ねのうち、郷土博物館について、リニューアルオープンから10年の施策や課題、今後の取組みについて問うにお答えいたします。
郷土博物館は、平成17年に富山城の歴史に関する専門博物館としてリニューアルオープンしてから、本年で10年を迎えたところであり、富山城をテーマとした特別展、企画展を中心に開催してまいりました。
こうした中で、市民をはじめとする来館者から、富山城だけではなく、さまざまな富山市の歴史文化について幅広く知りたいという声や、学校教育においても地域の歴史を学ぶ場として活用したいというニーズも寄せられております。
こうしたことから、近年では、富山城の歴史だけではなく、神通川船橋や市電開通、あるいは神通川の改修と都市計画など、本市ならではの歴史遺産を紹介する特別展や企画展を開催しております。
また、入館者数については、商工労働部長の答弁にもありましたが、本年3月に北陸新幹線が開業して以降を比較いたしますと、平成26年では3月14日から11月30日まで4万1,516人であったのに対し、本年同時期は6万1,850人と約1.5倍の増加となっており、新幹線開業効果があらわれたものとなっております。
この状況を踏まえ、今後とも、富山城の歴史のみならず、富山城下町や周辺地域の歴史や文化などについて紹介する特別展、企画展を開催していくことで、市民や観光客のニーズに応えていきたいと考えております。
次に、天守展望台にビジュアル的な仕掛けができないのかにお答えいたします。
郷土博物館が昭和29年に開館した当初は、周囲に大きな建物もなく、立山連峰が見渡せたとのことであります。しかし、現在ではビルが立ち並んだため、立山連峰はほとんど展望することができなくなっております。
御質問の仕掛けにつきましては、タブレット端末の活用など今後研究してまいりたいと考えております。
次に、防災教育としても、図書館本館や科学博物館などに船橋や馳越工事などのジオラマや書籍コーナーなどの設置ができないかにお答えいたします。
郷土博物館や科学博物館、図書館などの社会教育施設においては、おのおのの施設の目的に応じてテーマを決めた企画展示等を行っているところであります。船橋や馳越工事については、郷土博物館においてたびたび特別展で紹介しており、その資料は図書館でも閲覧することができます。
御提案のジオラマの展示については、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、本市の多様な博物館の連携や歴史遺産をつなぎ、内外の集客等を図ることで歴史資源をさらに有効活用できないかと思うが、取組みを問うにお答えいたします。
本市には、歴史や民俗、美術、科学をテーマとした多様な博物館施設が14館あり、富山の歴史や文化を学ぶ場として重要な役割を果たしております。
来館者を増やすためには、お互いの館の情報を共有し発信していくことが大切であると考えております。例えば、郷土博物館では、来館者が他の施設も訪れたくなるような動機づけの一環として情報コーナーを設け、市内の博物館のパンフレットの設置やポスターの掲示、パソコンによる博物館施設のデータ検索を行えるなど、他の館の情報提供に取り組んでおります。
さらに、教育委員会では、市内のさまざまな博物館を訪れてもらえるよう、各館の概要や展示内容などを一目で見ることができる「富山市博物館等ガイドマップ」を作成し、各社会教育施設等で配布しております。
なお、博物館をめぐる際には、富山地方鉄道が運行されている「富山市内周遊ぐるっとバス」も利用いただければと考えております。
また、歴史遺産をつなぐことにつきましては、現在、郷土博物館や民俗民芸村、猪谷関所館において、寺院や石仏、近代化遺産、北陸街道などをめぐる歴史探訪ツアーを実施しております。
さらに、教育委員会では、市内の寺社や石造物などの調査を実施し、地域に眠っている文化財等の掘り起こしを行っております。
教育委員会といたしましては、今後、こうした取組みのデータをもとに、富山の歴史や文化を理解できるような史跡などをめぐる周遊マップ等の作成についても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。